
NBPファイル vol.8:ガールズ! ガールズ! ガールズ!
ひなまつりですから。スロウバック・サーズデイ恒例、今週のNBPプレイリストはもう超ストレート。ど真ん中めがけて1960年代ガール・グループおよびガール・シンガー集です。
この手の音楽は大好物で。1曲でごはん3杯いけます(笑)。なもんだから、好きな曲を順ぐりに並べていくと100曲でも200曲でも選んじゃいそう。キリがないので、とにかくサブスクのストリーミングに入っている曲の中から思いついた順にダダーッと12曲、リストアップしました。ごはん36杯分です。また何かの機会があればこの続きを。
何年か前にガール・グループもののコンピを本ブログで紹介したときの文章を、改めて引用しておきますね。
いいんだよなぁ、1960年代ガールズ・ポップ。ごきげん。当時シーンをにぎわしていた男性ポップ・シンガーたちの場合は、たとえ彼らがティーンエイジャーであれ、デビューした時点でどこか将来への展望のようなものを匂わせていた。ナイトクラブ・シンガーになりそうなやつもいれば、映画に転身しそうなやつもいた。当時の常識では男が先を見据えて長く稼がなければならない役回りだった。
それに対して、女の子たちはもっと無垢。今、この瞬間、この刹那にだけ輝いている、みたいな。
大きく状況が様変わりした今の時代にこんなこと軽々しく口にしたらあれこれ疑問を呈されてしまいそうだけれど、仕方ない。1960年代前半と言えば、今とはずいぶん違う。当時の女の子シンガーたちは、主義も思想も展望も実体もなく、今、自分がどんな男の子に恋しているか、彼はどんなに素敵なボーイか、と。そんなことをひたすら無邪気に、あくまでも“歌”に託してみせてくれる存在だった。そういう役回りとしては、あの時代、とりあえず女の子のほうが断然適任だったってことだ。
(中略)往年のガールズ・ポップというのは基本プロデューサーズ・ミュージック。様式として存在するのは基本的には音楽的なスタイルだけだ。バックをかためるプロデューサーやソングライターたちが緻密に構築したその音楽スタイルにのっとりながら、時代時代の“旬”のコたちが入れ代わり立ち代わり、刹那を生きる少女ならではの切なく揺れる気持ちってやつを歌に託して届けてくれる。良くも悪くも、これが1960年代英米ガールズ・ポップの美学だった。
でも、そんなスタッフサイドのプライドとか山っ気とかを尻目に、彼らの思惑すらはるかに超えた地点で、無垢に、きらきらと輝いてしまうのが優れたガール・グループ・ポップ最大の魅力で。そうしたテイストの片鱗を、ここでちょびっとだけではありますが楽しんでもらえたらうれしいです。超有名曲とかは各自聞いていただくことにして、ちょいマニアック気味なセレクトにしてみました。
こんなふうに音楽がドリーミーでイノセントだった幸せな時代にずっと暮らしていたかったなぁ…。
- Gonna Make Him My Baby / April Young (1965) (Amazon /
Tower)
- Watch What You Do With My Baby / Julie Grant (1964) (Amazon /
Tower)
- When the Boy That You Love Is Loving You / The Avons (recorded in 1960s, unissued) (Amazon /
Tower)
- Shy Guy / The Charmers (1963) (Amazon /
Tower)
- 442 Glenwood Avenue / The Pixies Three (1963) (Amazon /
Tower)
- It's as Easy as 1, 2, 3 / Jill Gibson (1964) (Amazon / Tower)
- My Smile Is Just a Frown (Turned Upside Down) / Carolyn Crawford (1964) (Amazon / Tower)
- Don't Mention My Name / The Shepherd Sisters (1963) (Amazon /
Tower)
- Soft Spoken Guy / Diane Renay (1964) (Amazon /
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- Baby That's Me / The Cake (1967) (Amazon /
Tower)
- Dumb Head / Ginny Arnell (1963) (Amazon /
Tower)
- Whenever a Teenager Cries / Reparata & The Delrons (1964) (Amazon /
Tower)