テル・ミー・ホワット・ユー・ミス・ザ・モースト/ターシャ
シカゴの女性シンガー・ソングライター、ターシャのセカンド・アルバム。去年から今年にかけてライヴEPとか、シングル数曲とか、デジタル・リリースしていたけれど、フル・アルバムとしては2018年のファースト『アローン・アット・ラスト』以来。3年ぶり、待望のフォロー・アップ作だ。
ファースト・アルバムは、彼女が曲を書き出してから2年というタイミングで制作されたものだったとか。それゆえのフレッシュさ、瑞々しさに満ちた1枚だったわけだけれど。それに続く本作は、まあ、間に新型コロナウイルスのパンデミック期を挟んでいたとはいえ、3年というそこそこ長い歳月を経て生まれたセカンド・アルバム。無理に急ぐことなく、じっくり新たな曲作りに没頭しながら編み上げた1枚ということになる。
このペース、結果的によかったのかも。今回もいい曲ぞろい。なかなか充実した仕上がりだ。時にソウルフルで、時にジャジーで、時にフォーキーで…。さまざまなジャンルの音楽性をセンスよく、柔軟に、奔放に、クロスオーヴァーさせていく感触が相変わらず軽やかで素敵です。
ターシャがヴォーカルとギター。そこにドラム、ベースが加わるのが基本編成。曲によってフルートやヴァイオリンも参加。「ベッド・ソング1」と「同2」を冒頭とラストに置いて、多彩な、でもどこかターシャならではの個性に一本貫かれた楽曲たちを挟み込んだ構成もいい。歌詞も深そうだけれど、そこ、ぼくはまだ味わいきれてません。
今のところストリーミングあるいはデジタル・ダウンロードのみ。フィジカルは12月に入ってからみたい。CD、LP、カセットが出る予定。LPほしいね、やっぱ。