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Disc Review

Sunset in the Blue / Melody Gardot (Decca)

サンセット・イン・ザ・ブルー/メロディ・ガルドー

今日も朝早くからお出かけで。そのあともあちこち転々と移動ながらの一日なので。そういう慌ただしい日のおともに絶好の新作をちゃちゃっとご紹介。これ聞きながら今日を乗り切るぞっ、おーっ!

メロディ・ガルドー。ライヴ盤を間に挟んで、スタジオ作としてはなんと5年ぶりとなるアルバム『サンセット・イン・ザ・ブルー』。ラリー・クラインのプロデュースの下、ロサンゼルスのキャピトル・レコード・スタジオで録音された1枚だ。ダイアナ・クラールのバンドなどでも超絶テクニックを披露しているアンソニー・ウィルソン(ギター)をはじめ、ジョン・レフトウィッチ(ベース)、ヴィニー・カリウタ(ドラム)、ポーリーニョ・ダ・コスタ(パーカッション)らがサポート。

メロディ・ガルドーのジャズ・ルーツを的確に浮き彫りにするヴィンス・メンドーサのオーケストレーションも素晴らしい。全編を貫くボッサ・テイストもキーポイントだ。なんともたまらない。

オリジナル、カヴァー、取り混ぜての1枚。オリジナル作品はダヂ、ピエール・アデルニらとの共作が中心。アルバム・タイトル・チューンはジェシ・ハリスとの共作。アデルニ&ガルドー作の「フロム・パリス・ウィズ・ラヴ」は、ロックダウンのさなかだったインターナショナル・ジャズ・デイ、5月1日に、ガルドーさんの呼びかけにオンラインで応えた40人のミュージシャンによるヴァーチャルなオーケストラをともなった曲だ。ガルドーさん単独作は2曲。どちらもポルトガル語の歌詞で歌われている。しびれる。

カヴァーのほうは、ヘレン・メリルでおなじみ「ユー・ウォウント・フォーゲット・ミー」、ヘンリー・マンシーニ作「ムーン・リヴァー」、フランク・シナトラの持ち歌「アイ・フォール・イン・ラヴ・トゥー・イージリー」といったスタンダード系ナンバーに加えて、レズリー・ダンカンの「ラヴ・ソング」も。

オリジナル曲で時折さりげなく披露されるクールなクロスオーヴァー感覚も、カヴァー曲で効果的に発揮されるエヴァーグリーンな表現も、どちらも素晴らしくメロディ・ガルドー。レトロに聞こえながらも今の時代にきっちり有機的に呼吸している感じ。いい音楽にはいつだってその感触がある。

ファド歌手、アントニオ・ザンブージョとのデュエットによる「セ・マニフィーク」も素敵。ストリーミングは全12曲だけれど、フィジカルCDおよびハイレゾには別プロジェクトでレコーディングされたスティングとのデュエット曲「リトル・サムシング」も。国内盤にはさらにジャック・ブレルの「懐かしき恋人たちの歌(La Chanson des Vieux Amants)」のカヴァーも追加されているそうです。

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© 2020 Kenta Hagiwara