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Disc Review

Homegrown / Neil Young (Reprise)

ホームグロウン/ニール・ヤング

初のリモートCRT、楽しくやらせていただきましたー!

なにせわれわれにとって初めての試みだったので、どうにも手探り状態で。バタバタではありましたが。出演者はもちろん、中継会場であるロック・カフェのスタッフの方とか、あるいはネット越しとはいえ視聴してくださったみなさんとか、誰かとわいわいリアルタイムで音楽談義を交わす楽しさを久々に思い出せて。

好きな音楽についてダベるのはいいっすね。

以前のような態勢に戻るまであとどのくらいかかるのか、なんとも先行きが見えないままの状態ではありますが。それまではリモートを基本に、今何ができるのか、CRTなりに手作り感覚を大切にしながら模索していこうかなと思っております。ゆるーく応援していただけるとうれしいです。

ちなみに、ネット中継だとレコードがかけられないため、昨夜は出演者それぞれが事前にストリーミング・プレイリストを用意して本番に臨みました。そのプレイリストは以下の通りです。ご興味ある方、チェックしてみてください。

で、そこで奧田くんもセレクトしていたニュー・リリースを今朝はご紹介しましょう。ニール・ヤングの『ホームグロウン』。ニール・ヤング・ファンの間では『クローム・ドリームス』あたりと並んでおなじみの未発表アルバムのひとつ。それが45年の歳月を経てついに世に出た、と。

ご存じの通り、ニール・ヤングは過去の未発表音源をスタジオもの、ライヴもの、取り混ぜて発掘する“アーカイヴ・プロジェクト”を10年以上にわたって続けていて。ボックス・セットのシリーズとか、未音盤化ライヴ音源を次々リリースするパフォーマンス・シリーズとか、未CD化だったオリジナル・アルバム群をHDCDやDVDオーディオで復刻するデジタル・マスターピース・シリーズとか…。

その一連として、また新たにスタートのが“スペシャル・リリース・シリーズ”。もともとリリースされる予定だったものの、もろもろの事情でお蔵入りした未発表アルバム群を世に出すシリーズらしく。当初、2000年にクレイジー・ホースとレコーディングしたものの出ずじまいだった『トースト』というアルバムがシリーズ第1弾として出るという話だった覚えがあるのだけれど。それはまたまた出ずじまい。

このシリーズとしては、まず2017年、もともと1976年にたった一晩ですべて録音され、1970年代末に出る予定だったという弾き語りアルバム『ヒッチハイカー』が出て。翌2018年に同名映画のサウンドトラック『パラドックス』が出て。それに続くリリースとして、今回の『ホームグロウン』に至った、と。そういう流れだ。どうやら録音順なのか、オリジナル・リリース予定順なのか、通し番号が割り振られていて。『ヒッチハイカー』がVol.5、『パラドックス』がVol.10、そして今回の『ホームグロウン』がVol.2となっている。ややこしい。

ニール・ヤングは2009年に編纂した、あの膨大なアーカイヴ・ボックス・セットの続編のリリースもアナウンスしていて。彼の未発表アルバムとして有名な『クローム・ドリームス』や『オーシャンサイド/カントリーサイド』、さらには英国と日本におけるズマ・ツアーの記録『オデオン〜武道館』などが含まれるらしいと噂されていて。そこに、本『ホームグロウン』もラインアップされていた。そのボックスはいまだ出ていない。この8月に出るとか、いろいろ言われているものの、いつものことながら、どうなることやら…(笑)。

でも、とりあえずそれに先駆けてスペシャル・リリース・シリーズの一環として単独リリースが実現。今年のレコード・ストア・デイに合わせてアナログ盤が4月にリリースされる予定だったけれど、新型コロナウイルス禍によって6月にリリースがずれ込んだようだ。CDもストリーミングもあります。まあ、いろいろ曲折を経ながらも、とにかく出てくれただけでうれしい。

録音期間は1974年6月から1975年1月まで。『オン・ザ・ビーチ』と『ズマ』の間に出る予定だった。ただ、ダニー・ウィットン、ブルース・ベリーら音楽仲間がドラッグによって命を落とすなど、とにかくいろいろとつらい出来事が相次いだ時期だったこともあり、いったん完成に至った後、しかしニール・ヤング本人は改めて聞き直すこともできず、先に進むためリリースをキャンセル。代わりに『今宵その夜(Tonight's the Night)』を出した。

で、こちらはそのままお蔵入りしたきり、今日まで。でも、歳月がそうしたニール・ヤングの思いを和らげてくれたのだろう。収録曲の一部は、改めて録音し直されて他のアルバムに収められたりもしていたし、ブートなども出たりしていたけれど、ようやくオフィシャルに完全な形でリリースされることになったわけだ。うれしい。

ニール・ヤング本人も語っている通り、『ハーヴェスト』『カムズ・ア・タイム』『オールド・ウェイズ』『ハーヴェスト・ムーン』といった作品群の仲間というイメージの1枚。数曲がニール・ヤングのソロ弾き語り。残りは盟友ベン・キース(ペダル・スティール他)、ティム・ドラモンド(ベース)が全面バックアップ。さらに曲によってリヴォン・ヘルム(ドラム)、ロビー・ロバートソン(ギター)、エミルー・ハリス(コーラス)らも参加している。

全12曲中、「セパレイト・ウェイズ」「トライ」「メキシコ」「カンサス」「ウィー・ドント・スモーク・イット・ノー・モア」「ヴェイカンシー」、そしてポエトリー・リーディングというか語りというか、なんだか実験的な「フロリダ」の7曲が初出。「ラヴ・イズ・ア・ローズ」「ホームグロウン」「ホワイト・ライン」「リトル・ウィング」「スター・オヴ・ベツレヘム」が他のアルバムに流用されて世に出た曲の初期別ヴァージョンだ。

時に人生はつらいものだけれど、それも含めて美しい、と。そんなことを教えてくれる1枚だ。よくぞ出してくれました。

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