Disc Review

Labrinth, Sia & Diplo Present...LSD / LSD (Columbia)

LSD

ラビリンス、シーア&ディプロ・プレゼンツ...LSD/LSD

CSNとか、BBAとか、ELPとか、ポップ・シーンのスター・アーティスト3人が各々の名前の頭文字をつなげたグループ名義の下でスペシャルなタッグを組む、みたいな。そういうドリーム・チームというか、スーパー・グループみたいなものには、いつの時代も胸がときめくわけですが。

去年、突如タッグを組んでキャッチーなシングルを何曲か放ったスーパーな3人——絶対に顔を全部は見せない天才ソングライターのシーア、コンテンポラリーなダンス・ミュージック・シーンにおける最重要プロデューサーのひとりであるディプロ、そしてニッキー・ミナージやウィークエンドとのコラボでここ数年ぐいぐい頭角を現わしてきたUKのシンガー/プロデューサーのラビリンス——によるスペシャル・ポップ・ユニット“LSD”が、ようやく初フル・アルバムをリリースした。

ピーター・マックスというか、ビートルズの『イエロー・サブマリン』というか、レイト・シックスティーズっぽいポップ・サイケなビジュアル・イメージも含め、これはときめきます。スパーク・ジョイです。ほんと。

ディプロとシーアは以前、シーアの楽曲「エラスティック・ハート」で共作していたし、シーアとラビリンスは映画『ワンダーウーマン』のエンディング・テーマ「トゥ・ビー・ヒューマン」でデュエットしていたし、互いの持ち味をよくわかったうえでのタッグ。持ち場持ち場の担い方というか、それぞれの得意技の繰り出し方というか、作業の任せ合い方というか、3人それぞれ出過ぎることもなく、引きすぎもせず、いい案配で絡み合っていて、実に気持ちのいい共存具合を実現している。

曲の粒ぞろい感とか、トラックの今様なポップさ加減とか、そのあたりはさすがなのだけれど、それよりも個人的にはシーアとリビリンスのヴォーカルのやりとりに盛り上がった。そういう意味では3人組スーパー・グループというより、往年のオーティス&カーラとか、ダイアナ&マーヴィンとか、オリヴィア&クリフとか、エルトン・ジョン&キキ・ディーとか、スージー・クアトロ&クリス・ノーマンとか、そっちのスター・シンガーどうしの即席男女デュオに近いワクワク感がある。

深みを感じるとか、そういうのとはちょっと違うけど…(笑)。聞いてて楽しかったです、とても。

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