Disc Review

Walk Through Fire / Yola (Easy Eye Sound/Nonesuch)

投稿日:2019.02.27 更新日:

Yola

ウォーク・スルー・ファイア/ヨラ

すでに解散してしまったブリストルのR&Bバンド、ファントム・リム。ぼくもそれほどのめり込んで聞いていたわけではなかったけれど、彼らが2012年に出したセカンド・アルバム『ザ・パインズ』はブラック・クロウズのマーク・フォードのプロデュースによるなかなかの佳作だった覚えがある。

そのバンドのリード・ヴォーカルだった女性シンガー・ソングライターが“レディ・ヨランダ”ことヨランダ・クォーティ。マッシヴ・アタックやバグズ・イン・ジ・アティック、30Hz、クラフティ・カッツらとのコラボでもおなじみ、UKソウル・シーンの歌姫だ。ヨラ・カーターと名乗っていた時期もあった。で、このほど“ヨラ”とさらにシンプルに名前を縮めてソロ・アルバムをリリースした、と。

アルバムのプロデュースはブラック・キーズのダン・オーバック。それだけに、さすがひねりが効いている。レコーディング場所は米ナッシュヴィル。オーバックとヨラは、まずダン・ペンやパット・マクローリン、ジョン・ベティス、ジョー・アレンら、興味深い顔ぶれとタッグを組んで曲作りに取り組み、スタジオ入り。バックに迎えたのは、ボビー・ウッド(キーボード、ソングライティング)、ビリー・サンフォード(ギター)、デイヴ・ロウ(ベース)、ジーン・クリスマン(ドラム)、チャーリー・マッコイ(ハーモニカ)、スチュアート・ダンカン(フィドル)らナッシュヴィルやメンフィスを本拠に活躍する南部系の名手たち。

そんな環境のもとで完成したのが本作。ブルースの憂いとカントリーの哀愁とが分かちがたく絡み合う絶品カントリー・ソウル・アルバムに仕上がっている。抜いても張っても胸にしみるヨラの歌声はもちろん、ペダル・スティール・ギターやフィドルまでもがごきげんにソウルフル。こういう豊かなサウンドを今の時代にまっすぐ継承する個性の独り立ちを熱烈に歓迎したい。ヴィンス・ギルも1曲、「キープ・ミー・ヒア」って曲にゲスト・ヴォーカルで参加してます。

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