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Disc Review

Atoms and Energy / Daniel Wylie’s Cosmic Rough Riders (Last Night From Glasgow)

アトムズ・アンド・エナジー/ダニエル・ワイリーズ・コズミック・ラフ・ライダーズ

大谷翔平出場のMLBオールスター・ゲームを一所懸命見ながら…なもんで(笑)。心ここにあらず状態での、ちょっとユルめの更新です。

今朝、ユルめに紹介するのは英グラスゴー・ポップの雄、ダニエル・ワイリーの新作。コズミック・ラフ・ライダーズを率いたり、ソロ名義になったり、あれこれしながらキャリアを積んで、もはやベテランの域かな。サマーソニックで来日して新宿でストリート・ライヴやったりしていたときからもう20年だそうで。

たぶん2017年の『シーナリー・フォー・ドリーマーズ』以来のフル・アルバム。もともと2019年、共同プロデュースを手がけるスラム〜グレイシャス・ルーザーズのジョニー・スミリーとともにグラスゴーのラ・チャンキー・スタジオ入りしたときは、自らのアコースティック・ルーツに立ち返るようなアルバムを目指していたらしい。でも、スタジオでニール・スタージョン(ギター)やステュ・キッド(パーカッション)を交えながら作業していくうちに少しずつ様子が変わってきて…。

ただ、そうこうしているうちに新型コロナのパンデミックが訪れ、レコーディングが中断。そんな中、スミリーが当初の計画からは少し方向の違うアレンジをほどこし、リモートでワイリーとやりとりしたり。そういうパッチワーク的な流れの下、アルバムが完成したらしい。

でも、そうしたある種“引いた”レコーディングのやり方が奏功したか、いい感じにベッドルーム・ポップっぽい手触りも漂う、内省的で、ドリーミーで、でもジャングリーな極上UKギター・ポップ・アルバムに仕上がった。

でも、歌詞がまた深くて。オープニングを飾る「ザ・ブルージズ・アンド・ブラッド」とか。音のほうはブライアン・ウィルソン〜カート・ベッチャー的なコーラス・ハーモニーも効果的に盛り込まれた1960年代後半サンシャイン・ポップ系フォーク・ロック、みたいな感じなのだけれど。歌われているのは、タイトルからも想像できるような、DVを扱ったものらしく。一筋縄にはいかない。

今回も全編にダニエル・ワイリーならではのポップでメロウなメロディ感覚が炸裂。でも、ボサノヴァっぽい洗練された美メロにニール・ヤングっぽい凶暴なギター・ソロを絡ませてみたり、さわやかなサウンドに乗せて自分の人生が空っぽになっていく様子を淡々と綴っていたり、さまざま、なんとも心惹かれるアンビバレンスというか、パラドックスというか、そういうものを楽しめる1枚です。アルバム・タイトルも、ね…。

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