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Disc Review

A Swingin' Christmas / Tony Bennett (RPM Records/Columbia)

ア・スウィンギン・クリスマス/トニー・ベネット

今年もたくさんのクリスマス・アルバムが出た。毎年10月くらいになると、ニュー・リリースのクリスマス・アルバムをチェックするのが楽しみで楽しみで。そういえば何年か前、通販用に5枚組のクリスマス・ボックスを選曲/監修したことがあったっけ。あのときは夏過ぎからずっとクリスマス・ソング漬け。妙な感じだったけど、楽しかったなぁ。

ビーチ・ボーイズとか、ロイ・ウッドとか、トム・ペティとか、ウィングスとか、そういうコンテンポラリーなクリスマス・ポップスも楽しいけど。なんか、クリスマスだけはスタンダード・チューンの魔力に勝るものなしかな、とも思う。もちろん今スタンダード曲として流通しているクリスマス・ソングだって、もともとは新曲だった時代があるわけで。一概には言えないものの。やはり長い歳月、変わらずに生き続けてきたメロディ…って感触があると、よりクリスマスにぴったりくる、みたいな。そんな感じかな。

てことで、今年出たクリスマス・アルバムのうち、ぼくがいちばん気に入ったのが本盤。御年82歳のトニー・ベネットが、まったく衰えない唯一無二の歌心でおなじみのクリスマス・スタンダードをスウィンギーに歌いまくった1枚だ。バックをつとめるのはカウント・ベイシー・ビッグ・バンド。プロデュースはフィル・ラモーン。ピアノのモンティ・アレクサンダーがベイシーっぽいフレーズを随所にちりばめていたりして、その辺も楽しい。

歌心は衰えずとも、歌声はさすがに弱くなってきてはいて。でも、そんな年輪ゆえの変化もあたたかく受け止められるごきげんな仕上がり。クリスマス・イヴの今日、いきなりクリスマス・アルバムを紹介されても…と怒られそうですが(笑)。クリスマス本番は明日だし。アメリカみたいに1月までずっとホリデイ・シーズンってことで。年越しで聞き続けるのも悪くないっすよ。

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© 2020 Kenta Hagiwara