Disc Review

Where The Girls Are, Volume 7 / Various Artists (Ace)

ホエア・ザ・ガールズ・アー vol.7

英Aceが重箱の隅をつっつく感じでコンパイルし続けているガール・グループ・コンピ・シリーズ“Where The Girls Are”。なんと今年の3月に第7弾が出てたんすね。見逃してました。やばいやばい。てことで、さっそく購入。

大ヒットものではなくて、通常のガール・グループ・コンピには入りそうもないレアなところを基本にコンパイルされているシリーズなので、あまり広くおすすめできるものではないけれど。ドゥーワップとかガール・グループものって、1曲好きなら全部好き、みたいなジャンルだから。油断はできない。さすがに第7弾ともなると普通は出尽くし感も漂ってくるものだが、そこはAce。数々の未発表音源などもふんだんに盛り込みつつ、それなりに手応えある仕上がりだ。

アダルト・コンテンポラリー・ファンにおなじみ、JT人脈のひとりでもあるデイヴィッド・ラズリーが1965年に手がけたユートピアズの音源とか、楽しい。シャングリラスのまるパクリみたいな感じで。いかしてます。ジュエルズがかつてのシングルB面曲「スモーキー・ジョーズ」をファンキーにリメイクしたージョンとか、シレルズのLPに収められていたプレイメイツのカヴァー「ホワット・イズ・ラヴ」とか、60年代後半の音源も興味深い。去年出たビッグ・トップ・レコードのコンピでようやく良好な音質での正規CD化が実現したアンドレア・キャロルの「ザ・ドゥーラング」も入ってます。

未発表ものは9曲。クローディン・クラークのダブル・トラック・ヴォーカルによる「パーティ・ライツ」とか面白い。けど、個人的にはなんたってサティスファクションズかな。ライノが帽子の箱を模して出したガール・グループものの必殺コンピ『One Kiss Can Lead To Another』とか、エースの“Phil's Spectre”シリーズとかでもその歌声を聞くことができるサスティスファクションズ。ご存じ、ジャック・ニッチェの奥様であるグラシア・ニッチェのヴォーカルをフィーチャーしたスタジオ・グループですが。今回はマン&ワイル作の名曲「ア・ウーマン・イン・ラヴ(ウィズ・ユー)」の未発表ヴァージョンが聞ける。スペクターのレア音源系コンピにロネッツのヴァージョンで入っていたり、ジャック・ニッチェの作品集にドナ・ローレン・ヴァージョンで入っていたりした、あの曲です。

ニッチェ絡みだとメリー・クレイトンが1962年にリリースしたデビュー・シングルも入ってます。ジョー・サラシーノとの共同プロデュースです。

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