Disc Review

iTunes Originals / Pretenders (iTunes U.S.)

iTunes オリジナル/プリテンダーズ

休みに突入! なんて方も多いのかな。お疲れさまです。なにかと大変な年の瀬っすけど。明日はネイキッド・ロフトで忘年会ですよー。音楽界も不況だなんだとネガティヴな話が多いみたいだけど。個人的には買うアルバム買うアルバム、けっこう充実したものが多くて、楽しかった1年でした。そんな1年を湯浅やテラ坊や萩原祐子とともにわいわい振り返ろうと思ってます。ぜひたくさんのご来場を。

とはいえ、年の瀬ともなると、新作アルバムの入荷もすっかり途絶えちゃって。今日はとりたてて紹介したい盤もないので。アメリカのiTunes Storeで配信が始まったプリテンダーズの“iTunes Originals”を取り上げておきましょう。そのうち日本でも聞けるようになるんじゃないかな。

新旧レパートリーをスタジオ・ライヴ一発録りで聞かせるいつものiTunes Originalsスタイル。「トーク・オヴ・ザ・タウン」とか「マイ・シティ・ワズ・ゴーン」とか、ペダル・スティール入りの現在のラインアップで聞くとまた新鮮だ。10月に出たニュー・アルバム『ブレイク・アップ・ザ・コンクリート』の味わいが全編を貫いている感じ。その新作の収録曲のひとつ「ロザリー」とか、こっちでの演奏のほうがアメリカン・ロックっぽい乾いた不敵感が増していて、いいかも。デビュー時のイメージが強いせいか、ブリティッシュ勢として語られることも多いプリテンダーズながら、クリッシー・ハインドって実際オハイオ出身だもんね。身体がそっちに行くっすね。

このバンド、昔からメンバーが流動的すぎて、クリッシー以外、あまり具体的に顔が見えてこないところが不利だったりもするけど。でも、プリテンダーズの音ってのはきっちりある。変わらずにある。クリッシーの音、ではなく、あくまでもプリテンダーズの音。その辺が彼ら最大の魅力だ。このiTunes Originalsでも、貫禄漂うベテラン・ロック・バンドのたたずまいと、適度なやさぐれ感と、大人になりきれないやんちゃさとがうまい具合に入り乱れていて。やー、プリテンダーズだなぁ、とうれしくなる。

インタビューもたっぷり入ってます。そっちはまだあんまり聞いてません(笑)。正月休みに聞いてみようっと。

そうそう。それから、年が明けるとスカパーの歌謡ポップスチャンネルってところで、『萩原健太のUSA SONGBOOK』って番組が始まります。ぼくの選曲とともに、アメリカの音楽都市の風景をとっぷり味わおうという番組です。見られる環境のある方、ぜひお楽しみください。

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