カイル・ヴィンセント/カイル・ヴィンセント
おー、今度は平成のエリック・カルメン? はたまたエミット・ローズ?
ロサンゼルスをベースにローカルな人気を博していたパワー・ポップ・トリオ、キャンディのメンバーだったカイル・ヴィンセント初の本格的ソロ・アルバムだ。LAポップ・シーンのキーパーソンのひとり、パルテノン・ハックスリーがプロデュース、ルビヌーズのトミー・ダンバーが曲作りに深く協力…と、そのスジのファンには見逃せない人脈からの登場。正々堂々とポップン・ロールしてみせる。
12弦ギター、マンドリン、ハモンド・オルガン、フレンチ・ホルン、オーボエ、ストリングスなど、このヒップホップ/オルタナ全盛の時代にこれでいいのか…と思わせる真っ当なポップ・アレンジ。ふわっと哀愁を漂わせた曲作りのセンス。アソシエーションあたりに通じる透明感に満ちたコーラス・ハーモニーをともなった甘い歌声。とってもよいです。
簡単なプロフィールを見てみたら、エルトン・ジョン、ラズベリーズ、ジャクソン・ファイヴ、オージェイズ、アース・ウィンド&ファイア、スタイリスティックスなどが大好きだとかで。なんだか日本のポップス・ファンとそう変わらない感性が下敷きになっているのがいいのかも。学校休んでカレン・カーペンターのお葬式に行っちゃったこともあるらしいし(笑)。
かつて1970年代にティム・ムーアがアサイラムからリリースしていたアルバムとかが好きな人にはばっちりでしょう。だから、ぼくにもばっちり。