
スクォーレル・ナット・ジッパーズ・スターリング・イン・ファット・シティ(ザ・バラッド・オヴ・リル・トニー)/スクォーレル・ナット・ジッパーズ
本ブログではずいぶんと昔から何かと機会があるたび登場しているジムボー・マサスですが。彼が率いるスクォーレル・ナット・ジッパーズ。バンド名義の盤としては2020年の『ロスト・ソングズ・オヴ・ドク・スーション』以来となる新作、出ましたー!
今回もパンク世代以降ならではのグッド・オールド・スウィング・ミュージック・バンド的な持ち味炸裂。ファースト・アルバム『ジ・イネヴィタブル』のリリースが1995年だったから、もう30年以上前で。途中、休み休みだったとはいえ30年選手。しっかりベテラン。メンバーの顔ぶれはずいぶん変わったけれど、やっぱジッパーズはジッパーズ。よいです。
この新作、なんでもそんな彼らのキャリア30年を通してあたため続けてきた構想を実現した1枚だとかで。全23曲、約59分のコンセプト・アルバム。リル・トニーなる主人公をめぐる音楽劇だ。
このリル・トニーのモデルは、ジムボーの祖父、トニー・マルヴェッツィ。20世紀初頭に密造酒業に手を染め、第二次大戦後はメンフィスのピーボディ・ホテルやニューオーリンズのオールド・アブサン・ハウスでビッグ・バンドのプロモーターとして活躍した人物だ。そんな実像も交えつつ、ジンボー・マサスならではの時空をドラッギーにさまよう物語。
2025年12月のクリスマス・キャラヴァン・ツアー中、ミルウォーキーのターナー・ホールやストートン・オペラ・ハウスといった古い劇場にマイクを立てて収録したらしい。スタジオでは得られない劇場ならではの空気感を大事にしたってことかな。
おなじみロシア民謡「黒い瞳(Dark Eyes)」の独自英訳カヴァーで始まって。アルバムまるごと、めくるめくネオ・レトロ・ミュージックの雨アラレ。たまらんです。

