Disc Review

The Paradise Years 1976-1981 / Leon Russell And Mary Russell (Cherry Red/Lemon Records)

ザ・パラダイス・イヤーズ 1976-1981/レオン&メアリー・ラッセル

レオン・ラッセルは1976年、自身のレコード・レーベル“パラダイス・レコード”を創設したのだけれど。その時期のレオンさんの立ち位置というのはなかなかに微妙で。

この人の場合、まず1970年代初頭、スワンプ・ロックの象徴としてシーンに君臨していたシェルター・レコード在籍期があって。その後、パラダイス・レコードを立ち上げて。そのまま1980年代に入るまでがんばったものの、結局レーベルをたたむことになって。いくつかレーベルを渡り歩いた後、やがて1990年代半ばからはレオン・ラッセル・レコードからインディー・リリースしながら様々なルーツ・ミュージックを探求するようになって…。

と、ざっくり振り返ってみると、そういう歩みの中間地点にあたるのがこのパラダイス期。中間地点だけになんとなくぼんやり見逃されがちだったりもするわけですが。けっこういい曲もあるから。ファンとしてはぜひ再評価してもらいたいわけですが。それだけに、そんな時期の作品群をまとめて復刻したボックスセットの登場は実にうれしいのでありました。

パラダイスでの第一弾リリースは『ウェディング・アルバム』(1976年)。これ、当時、まじよく聞いたなぁ。スライ&ザ・ファミリー・ストーンのバック・コーラス隊としておなじみだったリトル・シスターの一員、メアリー・マクリアリーと結婚して、“レオン&メアリー・ラッセル”というデュオ名義で出した1枚。なんか、こう、新婚気分まるだしのバカップル・アルバムっぽいムードもあったのだけれど(笑)。

アルバムのオープニング・チューンだった「レインボウ・イン・ユア・アイズ」とか、アル・ジャローのカヴァーでもおなじみの名曲で。シンセを大きくフィーチャーしたポップ・ソウルもの。前年、シェルター・レコードから出した『鬼火(Will O' the Wisp)』でも披露されていたレオン・ラッセルならではのディープさとメロウさがいい感じに交錯するソウル・フィーリングがここでも大いに発揮されていて。まあ、シングル・カットされたもののチャートでは地味な成績しか残せず。残念だったけど。アルバム全体、このテイストが流れていて、愛聴したものです。今回のパラダイス・ボックス、ディスク1にはこのアルバムがまるごと入ってます。シングル・ヴァージョン2曲をボーナス収録。

翌1978年、同趣向の夫婦デュオ盤『メイク・ラヴ・トゥ・ザ・ミュージック』が出て。さらに1979年にはメアリー・ラッセル単独のアルバム『ハート・オヴ・ファイア』が出て。今回のボックスのディスク2はこのアルバム2作が収められてます。やはりシングル・ヴァージョンなど2曲をボーナス収録。

ディスク3は1978年の『アメリカーナ』と、バニー・シグラーをプロデューサーに迎えた1979年の『ライフ・アンド・ラヴ』にボーナス1曲追加したもの。で、ディスク4は1980年、ニュー・グラス・リヴァイヴァルを引き連れてパサデナで行ったライヴの模様を記録した『ザ・ライヴ』にシングル・ヴァージョン2曲をボーナス収録したもの。

このライヴ盤、レオンさんのオリジナル曲だけでなく、必殺のピアノ弾き語り「虹の彼方に(Over the Rainbow)」とか、ビートルズの「夢の人(I've Just Seen a Face)」とか、レイ・チャールズの「アイ・ビリーヴ・トゥ・マイ・ソウル」とか、ハンク・ウィリアムスの「ジャンバラヤ」とか、ローリング・ストーンズの「ワイルド・ホーシズ」や「ジャンピン・ジャック・フラッシュ」とか、カヴァーのレオンならではの解釈とかが楽しめる盤として、これまた当時けっこう愛聴しました。

というわけで、ロック、R&B、ソウル、アメリカーナ、ゴスペル、ポップ、ジャズ、ダンス、ブルーグラス、カントリーまで。レオン・ラッセルの中に渦巻く多彩な音楽性が躍動的に飛び交う『ザ・パラダイス・イヤーズ 1976-1981』。CD初収録ボーナス音源も7曲あるし。1979年に米コロムビアから出たウィリー・ネルソンとの共演盤『ワン・フォー・ザ・ロード』(1979年)も合わせて、この時期のレオンさんのついつい見逃されがちな活躍ぶりを一気に揃えちゃういい機会かも。

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