
ザ・ロックンロール・フィロソファー/ディオン
昨日、YouTubeでディオンの新作クリップ「イン・ア・ハートビート・オヴ・タイム」に出くわして。もう86歳だっていうのに相変わらずかっこいいお姿にぶっとんで。
この曲を含む彼の新作アルバム『ロックンロール・フィロソファー』が去年の10月末に出ていたのだけれど、本ブログでは紹介しそびれていて。というのも、新録も入っているアルバムではあったものの、けっこう過去作からの再録も多く含まれた1枚だったから。でも、「イン・ア・ハートビート…」のクリップを見て、あ、やっぱり紹介しておこう、と。いきなり気が変わったもんで(笑)。今朝はこのアルバム、取り上げておきます。
去年の初めに出たディオンの同名バイオグラフィー本に合わせたリリース。半分、新録音。残る半分が、ソニー・ランドレス、ジョー・ボナマッサ、マーク・ノップラー、そしてエリック・クラプトンら多彩な後輩ギタリストたちと共演したブルース・アルバム『Stomping Ground』の収録曲とか、自身の往年の代表曲を21世紀になってから新たに取り直した『New Masters』からの音源。新旧両者を交えながらディオンという雄大な個性の中に渦巻くさまざまな要素を凝縮した1枚って感じだ。
音楽、恋愛、依存症、回復、友情、信仰、創造性、人間関係…など、本でじっくり語られていたディオンの人生のあれこれをテーマにした楽曲なども随所に交えつつのセレクションみたい。
クラプトンがブックレットにコメントを寄せていて。そこでディオンのことを“唯一無二。功績も、存在感も、比類なき男です。天才的なシンガーであり、ソングライターであり、ミュージシャンであり、ヒーラーでもあります”と書いていて。ぐっとくる。“自分の愛することを続けながら、他者の人生にも寄り添うことができる、その完璧な実例です”とも。
新録の中では冒頭でも触れた「イン・ア・ハートビート・オヴ・タイム」が個人的にはいちばんのお気に入りで。これと「キング・オヴ・ザ・ニューヨーク・ストリーツ」は、デル・ローズのスコット・ケンプナーたちと組んでいたディオン&リトル・キングズ名義で2001年に出したライヴ盤『ライヴ・イン・ニューヨーク』でお目見えしていた曲。そのときの音源を下敷きに今回、再構築されたみたい。
かつて、名盤『ヨー・フランキー』でもカヴァーしていたトム・ウェイツの「サンディエゴ・セレナーデ」を改めて取り上げていて。自作ゴスペル「カム・トゥ・ザ・クロス」と合体させて再演したヴァージョンも泣けたな。必殺の「エイブラハム、マーティン&ジョン」をディオンは過去何度も再演してきているけれど、これも今回改めて新録していて。すごくいい出来。
ポール・サイモンとのデュエット曲だった「ニューヨーク・イズ・マイ・ホーム」をソロ・ナンバーとして再演していたりも。とにかく新旧要素を分け隔てなく使いまくっている感じで。長年、ブレることなく活動してきたベテランならではだな、と。胸が熱くなります。
来日とかしてくれなそうなこの人のライヴをニューヨークまで見に行ったときのことを本ブログでも書いたことがあったけれど。
ほんと、夢のような体験でした。このアルバムのようなセットリストのコンサートも見たいです。ロックンロールの哲人、いつまでもお元気でね。




