Disc Review

Remind Me Tomorrow / Sharon Van Etten (Jagjaguwar)

RMTSVE

リマインド・ミー・トゥモロー/シャロン・ヴァン・エッテン

期待通り素晴らしかった来日公演から4年近く。そのとき新作だった『アー・ウィー・ゼア』からはもう5年。久々のアルバムだ。あのあと出産とかもあったようで、意識的に音楽表現から離れていた感なきにしもあらず。大学で心理学を学んだり、ドラマに出たり…。新版『ツインピークス』のバン・バン・バーで歌ってるシーンに出くわして盛り上がったこともあったけれど。とにかく、ちょっとごぶさたでした。髪、ずいぶん長くなったなぁ…。

これがいいブランクになったようで、改めて新鮮に曲作りに取り組んでいる感触だ。生きづらい日々、他者との心のすれ違い、結びにくい関係性、十代の頃の後悔、それらに胸を痛めながらも時折ふと訪れるときめき、胸高鳴らせる予感…。ジャケットに描かれた、すべてを乱雑にぶちまけた子供部屋のような、喧噪と高揚と諦観と平穏とが分かちがたく同居している世界観は、やっぱり魅力的だ。なにやら、ブルース・スプリングスティーンの傷つきやすい少女版とでも言いたくなるような曲まであったりして…(笑)。

音作り的には、前作あたりから存在感を増し始めたキーボード中心のそれ。セイント・ヴィンセント、ラナ・デル・レイ、ジョン・グラントなどとの仕事でおなじみのプロデューサー、ジョン・コングルトンと初タッグを組んで、彼女ならではの内省的で、シニカルで、でも凜々しいポップ世界をうまいこと外向きに微調整している感じ。けっこうハードにシャウトとかもしてます。ウォーペイントのステラ・モズガワ、アトムス・フォー・ピスのジョーイ・ワロンカー、シュ・シュのジェイミー・スチュアートらも参加。

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