
イントロデューシング…ザ・ノームズ/ザ・ノームズ
オーストラリアから現れた頼もしい若者たち。
メルボルン郊外、ベイサイドの街、フランクストンを拠点とするパワー・ポップ・バンド。どう読むのかな。神話的にいくと“ザ・ノームズ”。IT的だと“ザ・グノームズ”。まだよくわかりませんが。まあ、ノームズかな。
パワー・ポップやガレージ・ロックンロールのファンにとってはたまらない新たな個性です。
もともとは中心メンバー、なんと19歳だというジェイ・ミラーくんが自宅のベッドルームで立ち上げたソロ・プロジェクトだったそうで。2022年ごろからバンドキャンプを通じていろいろ作品を連発していたのだけれど。やっぱりバンドで演奏したいと思い立ったか、地元フランクストンの音楽シーンの中心地、リハーサル・ルームとレコーディング・スタジオとライヴ会場を包括する《シンギング・バード》というところで仲間を募り、現在の4人編成バンドを結成した、と。そういう流れらしい。
で、リアルなバンドになってリリースしたファースト・フル・アルバムが本作だ。11月アタマに出てました。初期キンクスを筆頭とするブリティッシュ・ビート・バンドや、1960年代の米ガレージ・ロックンロール・バンドたち、そして地元オーストラリアの先達バンド、イージービーツなどの味を継承しつつ、今どきのインディ・ロック感覚でフレッシュに再構築した曲がずらり。曲によってはちょっとサイケなアプローチもあったりして。泣ける。
すでにシングルでリリースされていた既発曲のバンドによる再演とかも含め、勢い満点の演奏を聞かせてくれる。当然ながら、ジェイくんがひとりで作っていたこれまでの作品群に比べてぐっと外に開かれた勢いたっぷりで。爽快です。
バンドキャンプにはギター・ウルフやゴロッパチとかとも共演経験があるみたいなことも書いてあったな。4月には日本ツアーも計画しているというニュースも見かけたので、期待しましょう。がんばってー。

