Disc Review

Big Money / Jon Batiste (Verve/Interscope)

ビッグ・マネー/ジョン・バティステ

ジョン・バティステの新作。この人、ものすごく頭よさそうで、音楽性も高くて、どんなジャンルにも精通していて…って感じだけど。今回は思いきりルーツ方面に振れて、ゴスペル、ファンク、ソウル、フォーク、ブルースへとずぶっと足を踏み入れた仕上がり。かっこいいです。全9曲、32分というコンパクトさもいい感じ。シンプルで、アコースティック。それゆえ楽曲がいきいきスウィングしている。

オープニング、アンドラ・デイとデュエットした「リーン・オン・マイ・ラヴ」はスピナーズっぽいような、アル・グリーンっぽいような、そんなリズム・パターンで展開するポップ・ソウル。続く「ビッグ・マネー」はボ・ディドリーっぽいビートに乗って、ニック・ウォーターハウスやウォマック・シスターズをバックに従えてゴスペル的に盛り上がっていく1曲。

収録曲は共作も含めてほぼバティステさんのオリジナルながら、1曲だけカヴァーが入っていて。それが3曲目の「ロンリー・アヴェニュー」。大先輩、ランディ・ニューマンを迎えてレイ・チャールズでおなじみのドク・ポウマス作品をピアノ1本をバックにデュエットしてます。背筋が凍るほどのロンリー感、ハンパないです。

ピアノ1本ものとしては、ラス前に入っている「メイビー」ってのも素晴らしい。“もしかしたら、ぼくはただ時を無駄に過ごしているだけ”とか“もしかして、ぼくは本当に努力してきたのだろうか?”とか自問しつつ、やがて“もしかしたら、ぼくたちはみんな集団で一度立ち止まるべきなのかも…”とシニカルに歌われていて。ここにもランディ・ニューマンから受け継いだものが溢れている感じ。

軽くオルガンとかを伴った「ドゥ・イット・オール・アゲイン」も、愛の歌のような、神への思いのような、ソウルフルな味わいが沁みる。ラスト、No I.D.らをゲストに迎えた「エンジェルズ」とかも、なんだか崇高。かと思うと、軽快なグルーヴに乗って“ホップスコッチ、ダブルダッチー、ジャンピング・ロープ…”とかお囃子みたいに語呂のいい言葉を連射する「ピナクル」みたいな、シャーリー・エリスみたいな言葉遊びっぽい曲もあるし。

献身について、揺らぐ価値観について、天使について、生態系について…。いろいろ考えさせられます。バティステ、やっぱ頭いいな。やんなっちゃうな。

国内盤にはボーナス・トラックも入ってるみたいです。

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