Disc Review

Live at the Hammersmith Apollo / The Teskey Brothers (Decca/Glassnote Music)

ライヴ・アット・ザ・ハマースミス・アポロ/ザ・テスキー・ブラザーズ

本ブログではなにかとよく取り上げているオーストラリアのブルー・アイド・ソウル・バンド、テスキー・ブラザーズ。この人たち、アルバム・デビューが2017年で。それからまだ8年しか経っていないのだけれど。

なんと3作目のライヴ・アルバム、出ました。初ライヴ盤『ライヴ・アット・ザ・フォーラム』が出たのは2020年で。その翌年、2021年にオーケストラとの共演によるさらなるライヴ盤『ライヴ・アット・ハマー・ホール』を出していて。

で、本作。英ロンドンのハマースミス・アポロでのライヴ盤が登場。『ライヴ・アット・ザ・フォーラム』から数えれば5年で3作のライヴだ。つーか、テスキーズはこれまで本作入れて全部で6作のアルバムを出しているのだけれど。てことは、その半分がライヴってことになるわけで。いや、いくらなんでもそれは多いな(笑)。

でも、まあ、それだけテスキー・ブラザーズにとってライヴという場は大切だ、と。そういうことなのかも。自分たちの良さが発揮されるのはレコーディング・スタジオではなく、やっぱりライヴなんだ、みたいな?

というわけで、ハマースミス・アポロを熱狂させた3夜のスペシャル・ライヴ。古いアナログ文化へのこだわりが半端ない彼ららしく、24チャンネルのアナログ・マルチをはじめとする録音機材をステージ脇に持ち込んで3夜すべてのパフォーマンスを収録。そこから選び抜かれたという10曲がここに収められている。録ったまま、直しいっさいなしのライヴ・レコーディングだとのこと。

現在、正式メンバーはヴォーカルの兄、ジョシュとギターの弟、サムのテスキー兄弟の二人。この兄弟をオラフ・スコット(キーボード)、フェビアン・ハンター(ベース)、ニック・ローレンス(ドラム)ががっちりバックアップするという編成だ。オードリー・パウン(トランペット)、リリー・ショウ(サックス)という2管の女性ホーン・セクションもごきげん。

選曲的には一昨年の『ザ・ワインディング・ウェイ』からのものが中心。全部で6曲かな? あのアルバムのラストを飾っていた「ホワット・ウィル・ビー」とか、ここでもライヴ本編のラストに演奏されているのだけれど。スタジオ版の倍、14分超の熱演だ。冒頭の兄弟によるヴォーカルとギターの掛け合いとか、盛り上がります。

その前に入っている2019年の『ラン・ホーム・スロウ』からの「ペイント・マイ・ハート」もスタジオ版の倍、12分くらいのパフォーマンス。熱いっすね。『ラン・ホーム・スロウ』からはもう1曲、幕開けを飾る「マン・オヴ・ザ・ユニヴァース」が演奏されている。

で、ラスト3曲がアンコールで。ノッケがオーティス・レディング版の「トライ・ア・リトル・テンダーネス」のカヴァー。そこからアルバム未収録、2018年のシングル曲「フォーエヴァー・ユー・アンド・ミー」になだれ込んで、最後の「アイム・リーヴィング」へ。

今回もかっちょいいです。

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