Disc Review

Animaru / Mei Semones (Bayonet Records)

アニマル/メイ・シモネス

今年のフジロックで再来日する予定のメイ・シモネス。このところ注目度、爆上がりで。ほんと楽しみな存在。本ブログでも1年ちょっと前、3作目のEP『カブトムシ』が出たころ、ちょこっと取り上げたことがあったけれど。

いよいよファースト・フル・アルバムが登場。ということで、改めて紹介しておきましょう。

現在24歳かな? ミシガン州アン・アーバー出身。お母さんがセイコさんという日本人で、セイコさんは今回もジャケットのアートワークを手がけていらっしゃるとのこと。4歳でピアノのレッスンを始めて、11歳でギターに転向。ニルヴァーナとかスマッシング・パンプキンズなどにハマって。やがてハイスクールでジャズ・プログラムに接したことからそちらへの興味を深めて。ボストンのバークリー音楽院に進んでギターの腕と音楽性を磨いて…。

で、2022年、バークリーを卒業。以降、ブルックリンを拠点にライヴをやったり、EPのリリースを重ねたりしながらキャリアを積んで。ついに本日、初フル・アルバム『アニマル』をリリースした、と。

アコギ、エレキ取り混ぜた本人のギターを中心に据え、イマジネイティヴな弦楽アンサンブルなども導入しつつ、ジャズ、ボサノヴァ、インディ・ロック、チェンバー・ポップなど多彩な音楽性を自在に、奔放に交錯させる1枚。素晴らしいです。ご本人の言うところによると、自分の音楽は“jazz-influenced, indie-J-pop”なのだとか。面白いっすね。英語と日本語がシームレスに入り乱れる歌詞もなんだか刺激的だし。イマジネイティヴだし。ヴォーカルも軽やかで魅力的だし。何よりギターの腕前がとんでもなくかっこいい。

レッド・ホット・チリ・ペッパーズのフリーがメイさんの音楽のことを“洗練されていて、明晰で、神秘的”と表現していたけれど、まさにその通り。緊張感と癒やし、複雑さとシンプルさ、冷たさと温かさ、様々な感触を巧みに行き来しながら、なんともユニークかつオリジナルな世界観を醸し出す。人生や、家族や、音楽や、ギターや…そうしたもろもろへの様々な形の愛を綴った歌詞も印象的で。

楽しみな個性です。ほんと。

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