グレイト・ソングライター・ファイル・プレイリスト:17. 筒美京平
拙著『グレイト・ソングライター・ファイル〜職業作曲家の黄金時代』プレイリスト、いよいよ最後のセレクション。本の第17章で取り上げた筒美京平さんの作品集です。
筒美さんの作品のプレイリストというのは、亡くなった2020年に追悼の形で本ブログにも掲載したことがありました。
もちろんみなさんも同じでしょうが、個人的に好きな筒美作品というのは本当に限りなくあって。そこから12曲を選ぶのは至難の業。それなのに、というか、それだけに、というか。いろいろ選んだり外したりしていると、結果、不思議なことにだいたい前と同じになっちゃったりもするわけですが(笑)。
なので、5年前に選んだリストとあまり違わない選曲になっちゃってはいます。数曲入れ替えて、発表年代順に並べ替えました。「ブルー・ライト・ヨコハマ」とか「また逢う日まで」とか「さらば恋人」とか「木綿のハンカチーフ」とか、あまりにもおなじみすぎる特大ヒット群はまたまたあえて外させていただいて、本当は選びたかった少年隊の「ABC」とか平山三紀の「冗談じゃない朝」とかはストリーミングされていないので仕方なく外して…。
まあ、こういう評価もあるのかというご参考までに。こうやって振り返ってみると、あくまでもぼく個人的な筒美京平ブームというのは1972年ごろと1982〜3年ごろがピークだったのかも。
本に掲載したインタビューで、筒美さんがやりたかったのはやはり作曲だったんですか? というぼくの問いかけに、筒美さんは、“というより、ヒット曲を作ることですね。音楽を作るっていうのとヒット曲を作るっていうのはちょっと違うような気がする”とお答えになっていて。その明解さがなんとも印象的でした。
とにかくすごいソングライターでした。“職業作曲家の黄金時代”と勝手に銘打たせてもらった本を締めくくることができるのは、やはり筒美さんしかいないよな、と思います。
というわけで、『グレイト・ソングライター・ファイル〜職業作曲家の黄金時代』を下敷きにしたプレイリスト17本。楽しんでいただけていたらうれしいです。今月25日、東京・新宿のロック・カフェLOFTでのCRTはこの本をテーマにオールディーズまつりでわいわい盛り上がる予定。先月のCRTでも本の即売をさせていただいて、たくさんの方がお求めくださいました。本当に感謝です。今回も引き続き、別のオマケとかご用意しつつまた即売させていただいちゃおうかな、と。よろしくお願いします。
※お恥ずかしいことに、出版後、いくつか不注意なミスに気づきました。読者ならびに関係者の皆さまにご迷惑をおかけいたしました。本当にすみません。訂正個所はリットー・ミュージックのWEBに掲載されています。そちらをご参照ください。電子版は修正されています。申し訳ありません。よろしくお願いします。
Great Songwriter Files: 17. Kyohei Tsutsumi
- 渚のうわさ / 弘田三枝子 (1967)
- 真夏の出来事 / 平山三紀 (1971)
- 初恋のメロディー / 小林麻美 (1972)
- 哀愁のページ / 南沙織 (1972)
- 悲しみよこんにちは / 麻丘めぐみ (1972)
- 絵本の中で / いしだあゆみ (1972)
- 女になって出直せよ / 野口五郎 (1979)
- 片方だけのイヤリング / 遠藤京子 (1982)
- 夏色のナンシー / 早見優 (1983)
- 夏のクラクション / 稲垣潤一 (1983)
- 夢であいましょう / 田原俊彦 (1988)
- 八月の恋 / 森高千里 (1991)