Disc Review

Closer To The Bone / Tommy Castro & The Painkillers (Alligator Records)

クローサー・トゥ・ザ・ボーン/トミー・カストロ

恒例のブルース・ミュージック・アワードで2022年と2023年、栄えあるB.B.キング・エンターテイナー・オヴ・ザ・イヤー部門を2年連続で征したトミー・カストロの新作だ。これまでほぼ1〜2年おきに新作を出してくれていたけれど、今回は2021年の『トミー・カストロ・プレゼンツ“ア・ブルースマン・ケイム・トゥ・タウン”』以来ほぼ4年ぶり。

もちろん今回も持ち味であるファンキーで切れ味鋭いアプローチは健在だ。プロデュースはノルウェー生まれ、独特の人差し指弾きでおなじみ、クリストファー“キッド”アンダースン。

カストロ(ギター、ヴォーカル)の他、マイク・エマーソン(キーボード)、ランディ・マクドナルド(ベース、ヴォーカル)、ボーウェン・ブラウン(ドラム)がベーシックなバンドで。ゲストとしてクリス・ケイン(ギター)、リック・エストリン(ブルース・ハープ)、ビリー・ブランチ(ブルース・ハープ)、ディーナ・ボガート(サックス、ヴォーカル)らが参加。さらに“キッド”アンダースン(ベース、キーボード、ギターなど)もマルチ・インストゥルメンタリストぶりを発揮している。

オリジナル3曲に加えて、レイ・チャールズの「ア・フール・フォー・ユー」やエディ・テイラーの「ストロール・アウト・ウェスト」、ブラウニー・マギーの「ホール・イン・ザ・ウォール」、ハンク・ペニーの「ブラッドショット・アイズ」、ロン・トンプソンの「フレイト・トレイン(レット・ミー・ライド)」など、新旧幅広いところから11曲をカヴァー。相変わらず選曲センスが抜群だ。

典型的なアップテンポ・ブルース、スロー・ブルースはもちろん、ZZトップを思わせるハード・ブギー、ホーン・セクションをともなったファンキーなもの、ノヴェルティっぽいジャンプ・ブルースものなど、あの手この手でぐいぐい押しまくる。痛快です。

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