Disc Review

Ranchero Radio / Frank Goodman (2316168 Records DK)

ランチェロ・レディオ/フランク・グッドマン

『アメリカーナUK』誌のレビューで読むまで、この人のこと全然知らなかったなぁ。フランク・グッドマン。米オレゴン州ポートランドを拠点に活動するベテラン・シンガー・ソングライターさんで。

もともとはペンシルヴェニアの出らしく、兄弟のビリーとともにグッドマン・ブラザーズ・バンドってのを結成した後、カリフォルニアへ。やがてバンドを解散して、兄弟だけでヨーロッパに渡りデュオ活動。その後、ビリーさんはベルリンに居残り、フランクさんのほうはアメリカに帰国して、奥さんのローズさんとともにナッシュヴィルを経てポートランドに落ち着いたのだとか。

で、時に“バズ・ホーランド”という別名義で、あるいはフランク・グッドマン名義で、2000年ごろからちょこちょこアルバム・リリースを重ねている。ぼくは全然聞いたことがなかったけど。いやいや、今回、フランク・グッドマン名義で10月にリリースした最新アルバム『ランチェロ・レディオ』を聞いて軽くびっくり。

ぼく、この人が書くこういう感じの曲、かなり好きです。こういう感じってのは、どう言えばいいのか、テンション系のコードをさりげなく交えたような、ちょっとジャジーで、ブリージーで、でもどこかフォーキーで、サンシャイン・ポップ風味もあって、軽やかで、おいしい転調がちりばめられて…みたいな? 本作で言うと、オープニングを飾る「オールライト・ナウ」とか、だいぶ前から歌っているらしき「ソー・リトル・タイム・フォー・ナウ」とか。

もっと早く気づきたかったなー。歌声がちょっとクセがある感じなので、その辺、好き嫌いあるかもしれないけれど。本作を聞いたあと、バズ・ホーランド名義のものも含めてあれこれ過去作を駆け足でつまみ聞きしてみて。全部が全部というわけではないものの、けっこう好きなタイプの曲多し。バズ・ホーランド名義で出したシングル曲がこちらに入っていたりもするので、両名義の間にあまり厳密な区別はないのかも。とりあえずどちらの名義のアルバム聞いてもそれなりに楽しいひとときを過ごせている感じ。

ダン・エクルズがプロデュース。ポートランドの音楽仲間たちのサポートを受けながら、飄々と持ち味を発揮しています。フィジカルはご本人のWEBストアでCDもヴァイナルも扱っているようだけれど、ぼくはまだ未注文。今んとこストリーミングで楽しんでます。

ちなみに、ローズ奥さまはベースも弾くそうで、あれこれ一緒に活動しているらしい。バイオ読んでたら、ローズさんと一緒になって15年、知り合ったのは50年前とか書いてあった。二人の演奏を記録したYouTubeで動画とか見てもわかるけど、けっこう年齢もいってそう。いい感じのおじいちゃん。

いろいろ掘ってみまーす。

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