Disc Review

The Soul Of…The Fabulous Courettes / The Courettes (Damaged Goods Records)

ザ・ソウル・オヴ…ザ・ファビュラス・コーレッツ/ザ・コーレッツ

以前、ニュー・シングル「キープ・ダンシング」ってのを紹介して。そっちの7インチはすでに手元に届いて、前シングル「カリフォルニア」ともども、わが家のターンテーブル上をくるくる回っているわけですが。

問題はアルバムのほう。予約注文したアナログLPが、発売日の9月27日を過ぎたのにいまだ「入荷待ち」状態。7日〜21日待ち、とかになったままえんえん変わらなくて。うそーっ、みたいな? 全然届かず。なので、いまだアルバムは紹介できずじまい。

でも、ストリーミングはちゃんと9月27日からスタートしているし。CDはたぶんもう買えるのかな。CDもまだかな。よくわからないけど。なもんで、ブツが届くのを待ちきれず、取り急ぎ紹介しておきます。

われらがザ・コーレッツ。最新アルバムです。「キープ・ダンシング」を取り上げたときに軽く触れたことを改めて引用しておくと、今回のアルバム——

あくまでもフラヴィアさんのギターとマーティンさんのドラムだけをメインにぐりぐり押しまくってごきげんなロックンロール音像を構築していた前アルバム『バック・イン・モノ』に対して、今回のほうが幅を広げた仕上がりになりそうな予感…

(中略)

フラヴィアさん、ディストーションの効いたエレクトリック・ギターだけでなく、アコースティック・ギター、12弦ギター、ベースなどもダビングしているみたいだし、マーティンさんもティンパニーとかカスタネットとか叩いているみたいだし、今回も共同プロデュースを手がけているセーレン・クリステンセンがピアノ、メロトロン、オルガンなどを重ねているみたいだし、デンマークのバンド、ブラック・トルネードのホーン・セクションが「シェイク」をはじめ何曲かに参加しているみたいだし…

というわけで今回の新作、基本的な路線としてはこれまで通りのレトロ・ロックンロール系ではあるのだけれど。音楽的な興味の幅はぐっと広がって。サイケデリックもの、ブリティッシュ・インヴェイジョンもの、ガール・グループもの、ノーザン・ソウルものなどに積極的にアプローチ。

今年の3月に出た「シェイク」以降のシングル3枚のAB面、計6曲は全部入っていて。アルバムのオープニング・チューンは「シェイク」のB面だった「ユー・ウー・ミー」。あれも、いつものフラヴィアさんっぽいギター・リフに加えて、オルガンとコーラスがイントロを彩っていて驚かされた1曲だったし。他にも、コード感的により幅を広げた曲がかなり増えて。

そういう意味じゃ音楽的にだいぶ“普通寄り”になったと言えなくもないわけだけれど。いやいや。逆にこの夫婦、普通の音像の下でもやっぱり普通じゃないというか(笑)。得がたいポップ・センスを持った人たちなんだなということがよくわかって。なんだかうれしい。

全13曲、すべてコーリ夫妻とクリステンセン、3人連名のオリジナル。ただ、3人の名前の並びが曲によって違うので、きっとそれぞれの曲、いちばん最初に名前が書かれている人が中心になって作られているのかな。だとすると、フラヴィアさん5曲、マーティンさん3曲、クリステンセン5曲って感じ? わかんないけど。

クリスタルズのララ・ブルックスをゲストに迎えたシングル「カリフォルニア」とそのB面「ラン・ラン・ラナウェイ」だけでなく、「キープ・ダンシング」のB面だった「ブーン・ブーン・ブーン」とか、アルバムで初お披露目された「ウォール・オヴ・ペイン」とか、これまで以上にフィル・スペクター系アプローチの仕込みが本格化してきた感じ。

歌詞的にも内省的な表現がぐっと増えて。とともに、「ライズ」みたいな哀愁メロディをともなった曲とか、しみるメロディのミディアム曲「フォー・ユア・ラヴ」とか、新趣向のナンバーもいくつか顔を見せていたり。

今後の動きがまたまた楽しみです。早くLP届かないかなぁ。ストリーミングじゃなくて、アナログ盤で聞きたい。絶対…。

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