Feature Playlist

Nothing But Pop File, vol.111: RIP, Kris Kristofferson

NBPファイル vol.111:クリス・クリストオファソン作品集

クリス・クリストオファソンが亡くなった。9月28日、ハワイ、マウイ島の自宅で。享年88。

2021年にパフォーマーとしての引退を宣言しマウイ島でゆっくり過ごしていたようだけれど。2023年には盟友ウィリー・ネルソンの90歳の誕生日を祝うコンサートに登場してファンを喜ばせてくれたりしていたっけ。残念です。淋しいです。本人の90歳を祝うコンサートも実現してほしかったです。

けっして技巧的に歌のうまい人というわけではなかったけれど、男のロマンと感傷をたたえた語り口には不思議な吸引力があった。映画俳優としても『ビリー・ザ・キッド/21才の生涯(Pat Garrett and Billy the Kid)』『コンボイ』『スター誕生(A Star Is Born)』など多くの代表作があるだけに、ストーリーテラーとしても説得力があった。深かった。やはりワン・アンド・オンリーな人だったなと思う。

1936年、米テキサス州ブラウンズヴィル出身。兵役を終えたころからカントリー系ソングライターとして活動を開始。長い髭にラフなジーンズという反抗的な外見のため、当時の保守的なカントリー界からはなかなか受け入れてもらえなかったという。

でも1970年、前年レイ・スティーヴンスに提供した楽曲「サンデイ・モーニング・カミング・ダウン」をジョニー・キャッシュがカヴァー。これがカントリー・ミュージック・アワードを受賞したり、ジャニス・ジョプリンの「ミー・アンド・ボビー・マギー」とサミー・スミスの「ひとりぼっちの夜(Help Me Make It Through The Night)」という2曲のクリス作品も大ヒットしたり。

以降、彼自身への注目度も急上昇。1970年の『クリストファーソン』を皮切りに本人名義のアルバム、あるいは1973年から80年まで夫婦だったリタ・クーリッジとのデュエット・アルバム、アウトロー・カントリー仲間のウィリー・ネルソン、ジョニー・キャッシュ、ウェイロン・ジェニングズらと組んだザ・ハイウェイメンとしてのアルバムなどもコンスタントに発表してきた。

そんなクリスさんの訃報を受けて、今朝は追悼プレイリスト、作ってみました。いろいろな切り口がある人ですが、今朝はソングライターとしてのクリスさんに注目。多彩なシンガーたちが取り上げてきた彼の作品から、ほんの一部ではありますが、ぼくが好きなものを並べました。彼の紡ぎ上げる物語の魅力を再訪するきっかけにしてもらえたらうれしいです。ラストにロニー・ミルサップのヒットとしておなじみの「プリーズ・ドント・テル・ミー・ハウ・ザ・ストーリー・エンズ」のクリスさん本人ヴァージョンも添えておきました。

たくさんの名曲をありがとう。どうぞ安らかに。


RIP, Kris Kristofferson

Apple Musicアプリアイコン
  1. Me and Bobby McGee / Janis Joplin (1971 US #1)
  2. Help Me Make It Through the Night / Sammi Smith (1970 US #8)
  3. For the Good Times / Perry Como (1973 UK #7)
  4. Sunday Morning Coming Down / Ray Stevens (1969 US C&W #55)
  5. The Loving Gift / June Carter Cash & Johnny Cash (1973 US C&W #27)
  6. I've Got to Have You / Carly Simon (1971)
  7. Something You Can't Take Away / Roy Orbison (1976)
  8. Once More With Feeling / Jerry Lee Lewis (1970 US C&W #2)
  9. Nobody Wins / Brenda Lee (1973 US C&W #5)
  10. They Killed Him / Bob Dylan (1986)
  11. Why Me Lord / Elvis Presley (feat. J.D. Sumner & The Stamps) (1974)
  12. Please Don't Tell Me How the Story Ends / Kris Kristofferson (1999)

Resent Posts

-Feature, Playlist
-, , , ,