Disc Review

California / The Courettes (Damaged Goods Records)

カリフォルニア/ザ・コーレッツ

もう天気の予想とか誰にもできなそうな今日このごろ。梅雨明け、どうなってんだよ…とイラつきつつ、気温ばっかりカンカンに上がっちゃって。ウォーキングもままなりませんが。

本格的な夏はまだこれから。どうなるんだろう。考えるだけでぐったりですが。

でも、夏は楽しい。音楽もより楽しく響く。あ、いや、逆かもしれない。環境で聞きたい音楽は変わるから。ハワイとか行くと、日本でいつも聞いているブライアン・ウィルソン寄りのビーチ・ボーイズよりマイク・ラヴ寄りのビーチ・ボーイズが聞きたくなったり…(笑)。カーン! と暑い夏に聞きたい音って、絶対あるから。夏はいつも以上にシンプルでまっすぐ楽しい曲が聞きたくなるってことかな。

と、そんな夏向きの強力なニュー・シングル、出ました。われらがコーレッツの新曲「カリフォルニア」。

本ブログでは機会があるたび取り上げているコーレッツ。ブラジル人女性のフラヴィアさん(ヴォーカル、ギター)とデンマーク人男性のマーティンさん(ドラム)というコーリ夫妻によるごきげんにレトロなガレージ・ロックンロール・リヴァイヴァル・ユニットですが。

彼らが去年、米カリフォルニアで初めてツアーを行なったときに作った曲だとか。いつものように共同プロデュースを手がけるスウェーデン人のセーレン・クリステンセンとの共作曲。フラヴィアさんが自分たちのウェブサイトで語っていたところによると——

「降り注ぐすべての陽光と、ザ・バーズ、ローレル・キャニオン、ふんだんな12弦ギターなどが放つサイケデリックなヴァイブとを曲作りに活かしたかったの。でも、歌詞にだけはちょっと黒い雲がかかっているかも。この曲は旅に出ることと、愛する人を置き去りにすることを歌っている。ツアーに出るミュージシャンならみんなわかるはずよ。世界を巡って素敵な時間を過ごすことはできるけれど、そのときいつも大切な誰かを失っているの。本当に、愛があるところこそがわが家なのよ」

とのこと。コーレッツは夫婦でツアーしているんだから、どこに言っても愛する人と一緒な気もするけど。いや、まあ、愛する人は夫婦どうしだけじゃないもんね。

今回のシングル、7インチのレッド・ヴァイナルで出ていて。ぼくもそれを買ったのだけれど。A面の「カリフォルニア」も、B面の「ラン・ラン・ラナウェイ」も、フィル・スペクターの下で多くの名曲をレコーディングした1960年代ガール・グループの代表格、ザ・クリスタルズのラ・ラ・ブルックスがゲスト・ヴォーカルとして参加している。

で、さらに驚いたのはワンダーミンツ〜ブライアン・ウィルソン・バンドの中心メンバー、ダリアン・サハナジャがクリステンセンとともにミックスを手がけていること。コーレッツの近作はマイクロスターの佐藤清喜さんがミックスしていたけれど、今回はダリアン。クレジットに名前を見つけてさっそくダリアンに訊ねてみたら、何年か前からダリアンもコーレッツには注目していて、同時にコーレッツもクリステンセンもダリアンのファンだったらしく。相思相愛。で、今回、夢のようなタッグが実現したらしい。

いろいろ情報を集めるためにいくつかのサイトを見ていたのだけれど。A面、B面、どっちの曲も9月に出る次のアルバムに入るという記述もあれば、B面はアルバムに未収録の予定という記述もあり。情報が錯綜していますが。どっちの曲もごきげんに楽しいので、アルバムを待たずシングルをゲットしちゃいましょう。

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