Disc Review

Different Game / The Zombies (Cooking Vinyl)

ディファレント・ゲーム/ザ・ゾンビーズ

ゾンビーズ! 出ましたー!

新作です。2015年の『スティル・ゴー・ザット・ハンガー』以来8年ぶり。2004年に2度目の再結成をしてから5作目かな? 2001年にロッド・アージェント&コリン・ブランストーン名義でリリースした『アウト・オヴ・ザ・シャドウズ』を含めれば6作目だ。

前作リリース後、2019年春にロックンロール・ホール・オヴ・フェイムで殿堂入りを果たして、同年夏にブライアン・ウィルソンとのジョイント・ツアー“サムシング・グレイト・フロム'68”で、ブライアン・バンドのダリアン・サハナジャたちの助けなども借りつつ名盤『オデッセイ&オラクル』の全曲演奏を含むごきげんなセットリストを北米各地で披露して。

その勢いのまま翌2020年、新たなツアーを続ける中で新曲を書きため、新作アルバムの制作に取りかかった。けど、新型コロナのパンデミックのせいで作業はあえなく中断。リモートで継続しようかという話もあったようだけど、さすがはベテランだ。お互い顔を突き合わせてのライヴなレコーディングによるマジックを身体で知っているだけに、彼らはリモート作業を拒否して、じっとロックダウンが空けるのを待った。で、なんとかレコーディングを再開。ようやく8年ぶりの新作を完成させた、と。そういう流れらしい。

中心メンバーであるロッド・アージェントとコリン・ブランストーンはともに現在77歳。にもかかわらず、最近の70歳代はほんと元気だ。現役感ばっちり。1960年代に彼らが編み出したサイケデリア・ポップというか、バロック・サイケデリアというか、アージェントのキーボードをメインに据え、ちょっとジャジーなニュアンスも加味しつつ、時にはストリングスなども配しながら紡ぎ上げられた極上のゾンビーズ・サウンドを今なおそのまま継承しつつのうれしい1枚に仕上がっている。ブランストーンならではのハスキーな歌声も健在だ。

近年の若い世代のアーティストたちの中には、こういう音世界ををごくフツーに継承している連中もけっこういて。おかげで違和感も一切なければ、古くささもまったくない。ゾンビーズの揺るぎなさと、先見の明の証だ。全10曲中9曲目までがロッド・アージェント作、アコースティカルなラスト・チューン「ザ・サン・ウィル・ライズ・アゲイン」1曲だけがコリン・ブランストーン作。

アージェントのオルガンに乗ってブランストーンのブルー・アイド・ソウル的なヴォーカルが舞うアルバム・タイトル・チューンとか、先行シングルとして公開された「ドロップト・リーリング&ステューピッド」とか、珠玉のコーラス・ハーモニーに導かれて始まる「リディスカヴァー」とか、ノッケ3曲でもう個人的にはノックアウト。ぞっこんです。曲によってはオリジナル・ゾンビーズ解散後にロッド・アージェントが結成した、バンドのほうの“アージェント”を思わせるようなものもあって。なんだかうれしい。

まあ、細部の詰めが甘い曲もなくはないのだけれど、ぼくは全然許容しちゃいます。「ディファレント・ゲーム」と「ユー・クッド・ビー・マイ・ラヴ」のストリングス・アレンジはロッド・アージェント。もう1曲、「アイ・ウォント・トゥ・フライ」は、コリン・ブランストーンの『一年間(One Year)』でストリングス・アレンジを手がけたクリス・ガニングによるものらしい。その辺も感涙ポイントか。

本日発売。なので、まだ配信で楽しんでいるだけの段階だけれど。アナログ(Amazon / Tower)ポチるぞー。

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