Disc Review

The Smile of Life / Ronnie Barron (Nippon Columbia)

スマイル・オブ・ライフ/ロニー・バロン

今日は珍しく午前中からスケジュールぱっつんぱっつんな感じなので。今さら聞き返すまでもない、すでにおなじみの盤ながら、明日、11月3日の“レコードの日”に合わせて改めて再発される名盤を、ちょっぴり前倒しで軽くご紹介しますね。

ロニー・バロンの『スマイル・オヴ・ライフ』。そうです。1978年に細野晴臣と久保田麻琴が共同プロデュースする形で日本独自にリリースされた彼のセカンド・ソロ・アルバム。これも確か大学の先輩だったニシクボさんちで聞かせてもらったのが最初だったっけ。ほんと、ニシクボさんにはお世話になったなー。

ぼくがロニー・バロンの名前を知ったのは、ポール・バタフィールドのベター・デイズのメンバーとしてだったけれど。いろいろ調べてみると、1960年代からソニー&シェール、キャンド・ヒート、ドクター・ジョン、ライ・クーダー、トニー・ジョー・ホワイトなどたくさんのアーティストをバックアップしてきたニューオーリンズ出身の腕ききキーボード・プレイヤーだとわかって。

そんなバロンさんが久保田麻琴と夕焼け楽団のアルバム『ディキシー・フィーバー』と『ラッキー・オールド・サン』への参加をきっかけに、なんと東京で自身のレコーディングを行なった。1977年のことだ。で、翌1978年1月、本作『スマイル・オヴ・ライフ』が出た、と。

収録されている全11曲中、4曲はバロン本人のプロデュースの下、盟友ドクター・ジョンをはじめ、アート・ネヴィル、ジョージ・ポーターJr.、レオ・ノセンテリ、ジョー“シガブー”モデリストらザ・ミーターズの面々をバックに1976年、ニューオーリンズで録音された音源だったけれど、残る7曲はハリー&マックこと細野/久保田がプロデュースした東京レコーディング。細野晴臣を筆頭に、林立夫、上原裕、恩蔵隆、鈴木茂、伊藤銀次、井上ケン一、斉藤ノブ、サンディーらティン・パン・アレー系、ナイアガラ系、夕焼け楽団系が勢揃いしてバックアップしていた。ストリングス・アレンジには林哲司、萩田光雄というヤマハ系のクレジットも。

ごきげんなニューオーリンズR&Bを中心に、アーバンなブルー・アイド・ソウルあり、スウィートなバラードあり…。日本のミュージシャンが海外レコーディングするというのも徐々に珍しくはなくなってきていた時期ではあったけれど、逆に海外ミュージシャンが東京でスタジオ・レコーディングするというのはずいぶんと珍しく。でも、仕上がりはむちゃくちゃかっこよくて。ちょっぴり誇らしくもあり。大いに盛り上がった覚えがある。

今回は“レコードの日”に合わせた再発というだけあって、CDだけでなくアナログLP(Amazon / Tower)も復刻されるのがうれしい。過去、紙ジャケCD化とかもされているけれど、やっぱりこのテの音はヴァイナルで楽しみたいものです。再発に際して、湯浅学がハリー&マックへのインタビューも交えた新ライナーを寄せている。サブスクはないみたいっすね。

ということで、はなはだ簡単ではございますが(笑)、本日の更新とさせていただきます。ニューオーリンズ、やっぱサイコー!

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