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Disc Review

Wash, Rinse, Repeat / Andy Frasco & the U.N. (Fun Machine Records)

ウォッシュ、リンス、リピート/アンディ・フラスコ&ザ・U.N.

2010年にアルバム『ラヴ、ユーアー・ジャスト・トゥー・エクスペンシヴ』でデビューして以来、これが8作目のスタジオ・アルバムかな。ライヴ盤も2作出ているから、通算ではちょうど10作目か。ロサンゼルスを本拠に活動するアンディ・フラスコ&ザ・U.N.の新作『ウォッシュ、リンス、リピート』。R&Bからブルースからフォークからカントリーからカリプソから、なんでもかんでも呑み込んだ、とことんオープン・マインドな、ちょっぴりコンパクトな、でも痛快なパーティー・ロック・アルバムです。

しかし、こんなポジティヴなメッセージを浴びたの、久々だなぁ。オープニングを飾る「フレンズ(ア・ソング・アバウト・フレンズ)」からいきなり、仲のいい友だちに感謝して、大切な人たちに愛を伝えよう…的なことが雄大なギター・リフに乗ってメッセージされていて。とにかく前向き。「ビリーヴ・ザット(パフ・ブレイク)」では、“もし毎日が思うようにいかないなら、ひと息ついてみて。そうすればきっとうまくいくよ”とか歌っているし。

アルバム・タイトル・チューン「ウォッシュ、リンス、リピート」では、パンデミックで自宅にこもらざるを得なかった状況を乗り越えて、再び外に出て、握手して、ハグして、恋をして、夢見ることができるようになったことを祝う。今またウイルスに関しては米国でも新たなフェーズに入っているので、思いは違ってきているかもしれないけれど、この曲がレコーディングされたときには確かにそう実感していたのだろう。

「グロウ・オールド」は、火が消えかかったように思えても愛を諦めちゃいけない、二人の愛を、絆を、もっと熟成させなきゃ、本当の愛を手に入れるのは大変だけれど、どんな困難があっても愛を花開かせることから逃げちゃいけない、みたいな感じだし。ブルージーな「イントゥ・ザ・ブルー」では、寂しさ、悲しさにまっすぐ対峙し、すべてを受け入れることによってのみ、それらを克服して人生をポジティヴに祝福することができる、とか。

毎回、いろいろ興味深いゲストを迎えて盛り上がる『アンディ・フラスコズ・ワールド・セイヴィング・ポッドキャスト』もけっこう人気を博しているようで。もう150回以上を数えるけれど。そこでも本作で披露しているような前向きメッセージが放たれているようで。普段なら、やめてよぉ…と、思わず腰が引けちゃいそうなところですが。なぜだろう。わりとすんなり聞けちゃうから不思議。

ドラッグのことを扱っているらしき「スピル・ザ・ビーンズ」って曲すらやけに明るくて。アンディ・フラスコさんの大らかな個性ゆえか。どんなブルージーな曲調を奏でていてもどこか陽性に響くバンド・サウンドゆえか。聞いていてとりあえず楽しい気分にしてもらえた。ウイルスだ、戦争だ、と、もういいかげんイヤになってばかりの昨今、こういう感触がむしろ新鮮に感じられるのかも。んー、それはそれで複雑な気もするけど…。

フィジカルのリリースは6月みたい。とりあえずはデジタル・ダウンロード/ストリーミングで。

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