Disc Review

Goodbye Tour: Live 1968 / Cream (Polydor/Universal Music Catalogue)

グッバイ・ツアー〜ライヴ1968/クリーム

3月21日に予定していた“CRT&レココレ”イベントの245回目『おひっこし記念! 歌舞伎町のすみっこでディランが叫ぶ!』は、新型コロナウイルス流行の影響を鑑みて、やむなく中止とさせていただきました。

新ホームグラウンドで再スタートというタイミング。新たにお世話になることになったロックカフェ・ロフトは、現在の混乱した状況下でも日々万全の対策をとりながらしっかり営業なさっていますし、一部のお客さまから自分のケアはちゃんと自分でするからという力強い励ましをいただいたりもしました。ということで、スタッフ一同、最後まで開催の可能性を模索したのですが。

ただ、単なるレコード・コンサートとかトーク・ライヴとかいうより、みんなでわいわい楽しく盛り上がる飲み会的な色合いも強いCRTイベントだけに、不安と緊張と隣り合わせの状態で強行するよりは、慎重を期していったん仕切り直し、ある程度安心ができる状況になってから思う存分楽しむほうがいいのでは…と判断させていただきました。楽しみにしてくださっていたみなさま、本当に申し訳ありません。

次回は4月22日の予定。その時期、状況が少しでも好転しているのか予断を許しませんが、経過を見ながら本ブログや、CRTのFacebookTwitterなどでご報告していきます。よろしくお願いします。

“瀬戸際”だの“正念場”だのと言われた1〜2週間が過ぎて。でも、相変わらず未知のウイルスを相手に手探りするばかりの状態。そんな中、どういう判断を下すのが最良なのか、感染症に関してずぶのシロートであるわれわれにはまったくわからずじまい。為す術なし。“正解”などまだどこにもありません。できるのは、専門家と言われる方々の推測に基づく提言を信じて恐る恐る従うことくらい。なんとも頼りない状態ですが。

しばらくの間は無理に集ったり、群れて騒いだりすることなく、なるべく早くおうちに帰って、手洗いして、うがいして、空いた時間を利用して本を読んだり、サブスクで映画見たり、レコード聞いたり…。過剰な報道に振り回されることなく、各自、様子を見続けましょう。いろいろ社会的行動は自粛せざるを得ない状況下ですが、別に楽しいことをやったら不謹慎とか、そういうわけじゃないし。むしろ、おうちでのびのび、空いた時間を活用して思い切り楽しむのは免疫力を落とさないためにも最重要。

と、そんなふうに、普段コンサートに行ったり飲みに行ったりしていた時間を活用して、この機会にまとめ聞きしたいのがボックスセットっすね。てことで、今日は話題のボックスをひとつご紹介しておきます。『グッバイ・ツアー〜ライヴ1968』。エリック・クラプトン、ジャック・ブルース、ジンジャー・ベイカーという強力な3人がタッグを組んだスーパー・ロック・トリオ、クリームのフェアウェル・ツアーの模様をたっぷり記録したCD4枚組です。

1966年から68年まで、とてつもない勢いで活動して、あっけなく解散してしまったクリーム。その解散宣言後に行なわれた全米フェアウェル・ツアーからオークランド、ロサンゼルス、サンディエゴの3公演と、NHK“ヤング・ミュージック・ショー”でも放映されたことでおなじみ、英国ロンドンのロイヤル・アルバート・ホールでのファイナル公演の模様を4枚のディスクにそれぞれフル収録しています。

解散後に出たアルバム『グッバイ・クリーム』収録の3曲(ロサンゼルスでの「アイム・ソー・グラッド」「政治家(Politician)」「トップ・オヴ・ザ・ワールド(Sitting On Top of the World)」)と、72年の『ライヴ・クリームVol.2』収録の3曲(オークランドでの「荒れ果てた街(Deserted Cities of the Heart)」「ホワイト・ルーム」「政治家」)、クラプトンのドキュメンタリー映画のサントラ『ライフ・イン・12バーズ』収録の1曲(ロサンゼルスでの「スプーンフル」)、そしてBBCやNHKで放映された後、映像パッケージとしても世に出たロイヤル・アルバート・ホールでのパフォーマンス以外は初発掘の未発表音源。デヴィッド・フリックによるライナーノーツや貴重な写真を満載した豪華ブックレットも魅力的。

メンバー3人とももう次なる一歩に気持ちが向かっちゃっていたのか、バンド解散という現実に直面しつつもまったくおセンチになることなくワイルドに大暴れ。ジャック・ブルースのベースはもうベースの役割とかほったらして爆裂しているし、ジンジャー・ベイカーもリズム・キープなんて頭になさそうだし。荒っぽいっちゃ荒っぽいけれど、今の時代には味わうことができない熱が充満していることは事実。ああ、こういうのがロックだったんだよなぁと改めて思い知ります。とともに、あのNHKの“ヤング・ミュージック・ショー”、メンバーによる奏法解説パートも含め、ロックをめぐるいろいろな謎がけっこう具体的に解明された重要な瞬間だったなと懐かしく思い出されたりして。感慨深い…。

ただ、あの番組が日本で放送されたのって1972年。実際の解散公演から、なんと3年半後で。すでにクラプトンはクリームどころか、ブラインド・フェイスもデレク&ザ・ドミノスも解散して、酒とクスリとセックスに埋没ちゅう。当時の情報のスピード感って、そんな感じだったなぁ。いやはや、その辺も含めてとてつもなく懐かしいです。

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