Disc Review

Turn Off the News (Build a Garden) / Lukas Nelson & Promise of the Real (Fantasy)

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ターン・オフ・ザ・ニューズ/ルーカス・ネルソン&プロミス・オヴ・ザ・リアル

泣く子も黙るウィリー・ネルソン御大の息子、ルーカス率いるプロミス・オヴ・ザ・リアル。ウィリー翁の2012年作『ヒーローズ』や、ニール・ヤングの15年作『ザ・モンサント・イヤーズ』、17年の『ザ・ヴィジター』、18年の『パラドックス』などでの充実したサポートぶりもルーツ・ロック・ファンの間ではすっかりおなじみだろう。最近では大ヒット映画『アリー/スター誕生』のサウンドトラックを共同プロデュースしたり、主役のレディ・ガガと共作したり、もう1人の主役、ブラッドリー・クーパーのバック・バンド役で画面にも登場したり。ぐいぐい知名度を上げつつある。

と、そんな中、届けられた注目のニュー・アルバム。インディ系のレーベルからけっこうな枚数アルバムを出しているけれど、2017年にメジャーのファンタジー/コンコードに移籍後ということになると、これが2作目だ。ジェイソン・ムラーズ、デイヴ・マシューズ、ジョン・メイヤーらとの仕事で知られるジョン・アラギアが共同プロデュース。ウィリー・ネルソン、ニール・ヤングはもちろん、シェリル・クロウ、マーゴ・プライス、ケシャ、シューター・ジェニングズなどがゲスト参加している。

偉大な父親や、目をかけてくれた先輩たちを果たして超えられているのかどうか、その辺は微妙っちゃ微妙。評価はさまざまだと思うけれど。ただ、とてつもない七光りすら自然体で受け止めながら、恵まれた環境のもとで否応なく身体にしたためたアメリカン・ロック・スピリットを素直に、屈折しすぎることなく、のびのびと発揮しているのは事実。そのさまには思いきり好感が持てる。二世ならではの奔放さを全開にして、ジミー・バフェット的な、のほほんとドラッギーにレイドバックした楽観ポップ・カントリー風味と、ザ・バンド的な、ぐっと内省の深みに踏み込んだ真摯なロック感覚との間を自在に行き来しながら、充実した音世界を構築。1988年12月生まれだから、現在30歳か。けっこう頼もしく成長した気がする。

トム・ペティっぽい曲調、ジョージ・ハリスンっぽいスライド・ギター、アコギとドラムがぐいぐい推進するジェフ・リンっぽいアレンジ…など、もうひとりトラヴェリング・ウィルベリーズのような感触の「バッド・ケース」、キャッチーなコーラスを伴って、ロイ・オービソンふうの朗々たるメロディがポップに展開する「ホエア・ダズ・ラヴ・ゴー」、ソウル風味も漂う「セイヴ・ア・リトル・ハートエイク」、ウィリー翁の絶品ナイロン弦ギターが切なく炸裂する「ミステリー」、ファンキーかつブルージーにグルーヴする「シンプル・ライフ」、ウォーレン・ジヴォンの影も見え隠れする「アウト・イン・LA」、スペイシーでドリーミーなポップ・チューン「スターズ・メイド・オヴ・ユー」など、なんか、どの曲もものすごく楽しい。

ルーカスにとって初の国内盤もついにリリースされるようで。めでたい。勢いで売れちゃって、来日しちゃったりしてくれないもんですかね。

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