ダイレクト・ライン・トゥ・マイ・クリエイター/デュエンディータ
こんな新人、いたんだ。気がつかなかった。ニューヨークのクイーンズ出身の女性シンガー・ソングライター。2015年くらいからしかるべきところでは少しずつ注目を集め始めていたようで、ホームページ見てみたらSoundCloudとかでも随分前から話題になっていたみたい。
そんな彼女が2年くらいかけて、ゆっくりゆっくり作り上げた静謐なミニ・アルバムがこれ。短いトラックも含めて10曲、全長ほんの30分ほどながら、そこから匂い立つ感触は実に濃密。クレジットによれば去年、2018年の11月ごろ配信開始になった音源だった。でも、今知りました。情弱です。名前の読み方すらわかりません(笑)。でも、遅ればせながら聞いて一発でハマった。かっこいい。
今どきっぽいジャジーな音像を基調としてはいるものの、けっして激することのないウィスパー・ヴォイスで巧みにメロディを操っていくさまは時代性とかを超えた地点でエヴァーラスティングな魅力を放っている。ここからこっちに行けば楽に気持ちよくなれそうなのに…という個所で、あえてそっちに行かず、ふっと引き返しちゃう感じもクール。アフロ・アメリカンでありラティーノでもあるというルーツも彼女の音楽に大きな影響を与えているようだ。
去年、ボルティモアで起こった警察による若いアフロ・アメリカン母親射殺事件に言及した曲なども。歌詞面でもまじ意識高いです。