Disc Review

The Fame Recordings / Dan Penn (Ace/P-Vine)

The Fame Recordings / Dan Penn

ザ・フェイム・レコーディングス/ダン・ペン

やばい。最高。素晴らしい。強力な発掘音源の登場です。

1963~66年、マッスル・ショールズのフェイム・スタジオで録音されたダン・ペンの音源集。全24曲中、ロニー・レイ名義でシングル・リリースされた迫真のソウル・バラード「テイク・ミー」以外は驚愕の未発表もので。あと1曲、既発シングルのアンダブド・ヴァージョンが含まれてはいるけれど、その他は彼が単独で、あるいはスプーナー・オールダムやドニー・フリッツ、マーリン・グリーンらと書き上げ、ボックス・トップス、ジェームス&ボビー・ピュリファイ、パーシー・スレッジ、ドリフターズ、バーバラ・リン、スペンサー・ウィギンズ、オヴェイションズ、ベン・アトキンス、ジェームス・バーネット、ビリー・ヤングらに提供した珠玉のソウルフル・ナンバーの自演ヴァージョンの雨アラレだ。まいった。過去、誰にも採り上げられずに埋もれていた楽曲も2曲。お宝だぁ…。

デモ録音も含まれているけれど、デモといってナメちゃいけない。それぞれの楽曲本来の魅力のツボが見事露わにされた仕上がりにハッとさせられること請け合い。もちろんデモ以外、本気モード楽曲が晴らしいことは言うまでもなし。ダン・ペンというと1994年のアルバム『ドゥ・ライト・マン』とか、年輪を重ねてからの渋い歌声の印象が強いわけだけれど。いやいや、若き日のソウルフルな歌い回しもかなり強力だったんだ、と。改めて思い知らされる1枚。もちろん、曲もいいし、演奏もすごい。しびれる。

60年代からソングライター、プロデューサーとして活躍したのち、1973年のアルバム『ノーバディ・フール』で自らソロ・アーティストとしても活動を始めた…と捉えられることが多いダン・ペンだけれども。それ以前にもこれだけの充実した音源を残していたわけだ。英エイス・レコードのフェイム・レコード大捜索作業に感謝です。

本人を含む関係者の証言満載の詳細なライナーも貴重。輸入盤はもう出てますが、間もなく出る国内盤にはばっちり訳も付いてます。老眼にはキツいちーっちゃな文字がびっしりです(笑)。なので、今回のリンク先は国内盤へ。

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