Disc Review

The Sun Came Out / 7 Worlds Collide (Columbia/Sony)

ザ・サン・ケイム・アウト/7ワールズ・コライド

さあ、CRT“ライ・クーダー・ナイト”、近づいてきました。お酒飲んだり、つまみ食ったりしながら、聞いて、語る音楽としてライ・クーダーって絶好のような気がします。つーか、おっちゃんたちは70年代、よくそんなことしてました(笑)。ライ・クーダーって、たとえばカヴァー選曲のセンスとかをマニアックに突っ込めばどこまでも突っ込める人だし、ギタリストとしての腕前に特化して語っても語り尽くせないほどのテクニシャンだし、でもどこかのんびりした、親しみやすいたたずまいもあって。語りがいがあるからなぁ。

20日はみんなで、またライ・クーダーの魅力を爆音/爆画面で多角的に味わいましょう。青山さんだけでなく、CRTギター長屋仲間の中森さんももしかしたら…。左の情報欄をご参照のうえ、こぞって参加してください。待ってます!

前回の更新のとき、ボブ・ディランのクリスマス・アルバムのことにちらっと触れたら、かなり反響ありました。国内盤待ちます…っておっしゃってくださった方も多くて。ありがとうございます。ディランのクリスマス・アルバムに関して、もうひとつうれしい情報を書いておくと。クリスマス・ソングといえばコーラスがつきもので。今回も7人のシンガーがコーラス隊としてクレジットされているのだけれど。そこに、アマンダ・バレットとアビー・デウォルドという名前が入っている。この二人、ロサンゼルスを拠点に活動するキュートでノスタルジックな女性アコースティック・デュオ“ディティ・バップス”のメンバー。04年、ミッチェル・フルームのプロデュースによるデビュー・アルバムをリリースして以来、すでに3枚の素敵なフル・アルバムを発表してきているのだけれど。日本では知名度が今ひとつかも。今回のゲスト参加で、注目度が上がるといいな、なんて思ったりしております。彼女たちの音楽、Youtube にもいろいろアップされているので、興味のある方はぜひ。

これとかこれとか大好きっす。

というわけで、今回もディランのクリスマス・アルバム押しの内容ですが。ピックアップ・アルバムは別の物でいきます。ニール・フィンが呼びかけ、レディオヘッド、ウィルコ、ジョニー・マーなどが集まって、貧困の克服を目指す国際的支援団体“オックスファム”をサポートするためのチャリティ・コンサートを行ったのが2001年。ちょっと前のことかと思っていたら、もう8年前っすね。ライヴの模様はCDやDVDも話題になったけれど、そのときのプロジェクト名“7ワールズ・コライド”のもと、今度はスタジオ・アルバムが登場しました。

今回も同様にオックスファムをサポートするためのチャリティ・アルバム。前出の顔ぶれに加えてKTタンストール、ビック・ルンガ、パーカッション・アンサンブル“フロム・スクラッチ”のドン・マッグラシャンらも参加している。ソウル・コフィングのセバスチャン・スタインバーグやリサ・ジャーメイノなどは前作から引き続きの登場。世代/ジャンルを超えるスーパー・プロジェクトながら、あまり全体がでこぼこすることもなく、参加ミュージシャンそれぞれの味がいい感じに溶け合っている。お互いの持ち味をお互いに知り抜いている感触というか。

ニール・フィンがニュージーランドの人だってこともあるのか、英米の感触がクールに俯瞰した視点から混ざり合っているのも面白い。80年代っぽい、ちょっと内省的な美メロ感覚が基調になったポップ・アルバムに仕上がっているけれど、それ以前の時代のポップ・ミュージックに対する憧憬みたいなものも随所に聞き取れて、胸がきゅっと高鳴る局面多し。個人的にはウィルコ絡み、というかジェフ・トウィーディ絡みの楽曲が特にぐっときます。1枚ものと2枚組とあるみたいだけど、ぼくは2枚組のほうでたっぷり楽しみました。

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