グリッター・アンド・ゴールド〜ワーズ・アンド・ミュージック・バイ・バリー・マン&シンシア・ワイル
待ってました。英Aceによる“プロデューサー/ライター・シリーズ”の最新作。いよいよバリー・マン&シンシア・ワイル作品集の登場だ。ブリル・ビルディング系ソングライター・チームには、キング&ゴフィン、グリニッチ&バリーなど、夫婦コンビが多かったりするのだけれど、みんなその後離婚していて。まあ、途中いろいろあったにせよ、今なお夫婦で曲作り続けているのはこのマン&ワイルだけ。まさに人生最高のパートナーってことすね。
彼らの作品集はこれまでにも多かったけれど。そこはAce。今回もひとひねり加えた選曲で楽しませてくれる。自社のロックンロール/ポップス系コンピにすでに収録ずみのおなじみどころはほぼはずし、契約的にめんどくさいフィレス関連楽曲もはずし、にもかかわらず、十分に彼らの持ち味を堪能できる充実した構成になっている。二人が出会った1961年から、充実期の1975年までの楽曲26曲。シンガーはママ・キャス、ティッピー&ザ・クローヴァーズ、ジーン・ピットニー、アーサー・アレクサンダー、ポール・リヴィア&ザ・レイダーズ、シンデレラズ、トークンズ、B.J.トーマス、ビル・メドレー、タートルズ、ドリフターズ、マーセルズ、シフォンズ、ヴォーグズ、ニノ&エイプリル、ディオンなどなど。胸がときめくでしょ。ジョーニー・ソマーズの「アイド・ビー・ソー・グッド・フォー・ユー」、ブルース&テリーの「ガール、イッツ・オールライト・ナウ」、そしてドナ・ローレンの未発表レコーディング「ザッツ・ザ・ボーイ」あたりが、マニア大喜びの選曲かな。
ロックンロール誕生以前の音楽性もとっぷりと身体にたたえたバリーの深く豊かな音楽性と、知的かつウィットにとんだシンシアの歌詞。やっぱり素晴らしいチームだってことを再確認できる1枚だ。