SMiLEツアーに関する覚え書き
以下、とりあえずロンドン公演を3回見た記憶で書き留めてみます。ぼくは普段からライヴでメモとかとらないし、録音もしないし。実際、今回も自腹だし(笑)。仕事抜きでめいっぱい盛り上がって楽しんでいますので、いろいろ記憶違いとか聞き落としとかあると思います。その辺差し引いて、参考程度に読んでください。公演4回目以降を見て書き直すかも。めんどくさいから書き直さないかも。てことで、ブライアン・ウィルソンの最新ツアー、その『SMiLE』パートのみを、けっこういいかげんに振り返ってみます。ここで書いた以外にも、曲と曲をつなぐ初聞きのメロディ&歌詞がいくつか登場してます。どこに入ったか忘れちゃってます(笑)。なんでも、もう公演初日のブートが出回っているって話なので、正確なところはそういうの聞いて各自掘り下げてください。歌詞の流れとかを含めた全体像の吟味とか、ぼくはまだ全然できていないです。これからの楽しみです。あとは各自ってことで。ひとつ。
※4回目を見てちょっとだけ書き直しました。
- Prayer
やはりこのアカペラからスタート。 - Heroes And Villains
これがけっこうくせ者で。いちばん質問が多い曲なので、これだけはmp3化して持ってきているスタジオ音源をもとに超細かく思い出してみると。まず、『Good Vibrations Box』収録の「Heroes And Villains (Sections)」の2:35くらいから始まる、ザ・クロウズの「Gee」をコピーしたアカペラ・コーラスでスタート。"How I love that girl..."を挟んで、"doo doo doo Heroes & Villains..."が16小節。そこで、「Heroes And Villains (Sections)」の0:47あたりで出てくるトロンボーンのフレーズにばっさりつながり、トロンボーンのフレーズが終わったところでスネア一発のフィルを受け「Heroes And Villains」本編へ。これは基本的にシングルの、というか『Smiley Smile』のヴァージョン。その2:11あたりのアカペラ・パートまで行ったところで、今度は『Good Vibrations Box』収録の「Heroes And Villains (Alternate Version)」などでおなじみの「In The Cantina」パートへ。"You're under arrest!"のひとことで、再び『Smiley Smile』ヴァージョンの2:12に戻って。最後までいったら「Heroes And Villains (Sections)」の2:28あたりから出てくる「Goin' On」と同じコード進行のアカペラ・コーラスへ。これは前ツアーまでの「Heroes And Villans」のライヴ・ヴァージョンの終わり方と一緒。ただ、その最後のハーモニーにかぶって、やはり「Heroes And Villains (Sections)」の0:23あたりのストリングス・フレーズへ突入するのが今回のミソか。で、前出のトロンボーン・フレーズが出る直前で締め、と。そんな感じだった。このあとに「Surf's Up」のメロディを変奏した短いオーケストラ・パートが挿入されて、「Do You Like Worms」へ…。 - Do You Like Worms
基本的には『Good Vibrations Box』収録のヴァージョンなのだけれど、フロア・タムがドンドコいっている演奏パートにも、きっちり歌詞とメイン・メロディが乗っていた。いい曲だった。ハープシコードによる「Heroes And Villains」のテーマ・メロディを受けてウガウガ・コーラスが登場する部分には「Bicycle Rider」の歌詞が…。で、最後のハープシコード・パートは、ritして途切れたところまで。そのあと、ブートによっては「In The Cantina」パートの最後、"You're under arrest!"の直前に挿入されている"Woo Woo Woo Woo..."というコーラスで締め。 - Barnyard
これもブートでおなじみのヴァージョンに、『Endless Harmony』で初お目見えした歌詞とメロディが乗ったもの。リード・ヴォーカルが4小節、ブートのバックトラックでも聞かれるコーラスが8小節…という掛け合いを2回繰り返す形。その間、声を出せる人間が動物の鳴き真似を連発。ブライアンもノリノリでニワトリとかになりきっていた。 - The Old Master Painter/You Are (Were?) My Sunshine
これもブートでおなじみのヴァージョンのまま。「Barnyard」のケツにインテンポでカットインする形で演奏された。「You Are My Sunshine」のヴォーカルはブライアンとテイラー・ミルズのユニゾンで。 - Cabinessence
すでにブライアンのツアーで披露されていた形のまま。基本的には『20/20』ヴァージョン。冒頭からここまでメドレー/組曲スタイルで一気に演奏され、ここでいったん終了。大アプローズ! - Wonderful
『Good Vibrations Box』収録の『SMiLE』ヴァージョン。 - Child Is Father Of The Man
ここも衝撃のパートで。まず登場したのは、よくブートで「Look」とか「Holidays」とかタイトルが付けられているパート。この冒頭のほうに「Wonderful」絡みの歌詞を持つリード・メロディが乗っていて。そのあと、「Good Vibrations」の主題の変奏メロディと掛け合いで出てくるアタマ打ちビートの部分に"Child Is Father Of The Son (Sun?)"という歌詞を中心にしたメロディが重層的に重なる。ゆったりとしたピアノをバックにしたパートにも美しいメロディと歌詞が付いている。そののち、ブートでおなじみの「Child Is Father Of The Man」へ。もちろん初聞きのリード・メロディ&歌詞あり。 - Surf's Up
これもブライアンのツアーですでに披露ずみのヴァージョン。「Wonderful」からの流れはここでいったん終了。またまた、とんでもないアプローズ! - I'm In Great Shape
例のピアノ弾き語りデモからは想像できないほど、ノスタルジックで美しいバック演奏をともなったヴァージョン。ヴァン・ダイク・パークスの世界観に近いか。 - I Wanna Be Around/Workshop
「I Wanna Be Around」もまた、ブートでずっと聞いていた演奏のみのヴァージョンで想像していたものを超えるジャジーでスウィートなメロディにびっくり(…しつつ、あとになってメロディと歌詞を思い出してみると、これ、トニー・ベネットの名唱でおなじみのジョニー・マーサー作品のカヴァーでした。59年に作られて62年にトニー・ベネットの盤がヒット。わりと近作のカヴァーだったわけだ。「オールド・マスター・ペインター」、「ユー・アー・マイ・サンシャイン」、そしてこの「アイ・ウォナ・ビー・アラウンド」と。意味深なカヴァーばかりだなぁ)。そのあと、ブライアンは電気ドリル、ジェフリーはノコギリ、プロビンはカナヅチなど、思い思いの工具を鳴らしつつ、「Workshop」へ。 - Vegetables
これも基本的には『Good Vibrations Box』収録の『SMiLE』ヴァージョン。そこに『Smiley Smile』ヴァージョンのコーラス・パターンなどを効果的に組み合わせた仕上がり。 - Holidays
これもびっくり。ブートでは「Tones/Tune X」とか題されることが多かった曲。その前半、たぶん「Tones」と呼ばれていた部分に「Holidays」っぽい歌詞が乗っていた。アンサパ説はやはり正しかったのか。メロディはブートで聞けるあのメロディ。それと掛け合う形で「Do You Like Worms」で聞かれる"Rock, rock, roll, Plymouth Rock, roll over"のコーラスも再登場。ジェフリーがウクレレでいい感じを演出していた。そして、『Imagination』の「Happy Days」にも流用されていたピアノのフレーズとストリングスをバックに"Long, long ago..."という短いノスタルジックなヴォーカル・パートが歌われて、「Tune X」へ。でもって、本編に入ると、そこには『Smiley Smile』版の「Wind Chimes」のケツに出てくる"Whispering..."パートのメロディ&コーラスが! そうだったのか。そういやそういうコード進行だよなぁ。すげえ…。 - Wind Chimes
『Good Vibrations Box』収録の『SMiLE』ヴァージョンをよりダイナミックに展開していた。途中のピアノ・パートは、なんとブライアン御大が自ら演奏。 - Mrs O'Leary's Cow
『Good Vibrations Box』では「Heroes And Villans (Intro)」というタイトルで収録されたイントロ部から、ブートでおなじみの「Fire」へ。オーケストラ・セクションが消防士の帽子をかぶっていた。ファンキーでスケールの大きい演奏に圧倒された。実にかっこいいインスト曲に仕上がっていた。『Smiley Smile』の「Fall Breaks And Back To Winter」のコーラスも登場。ラストはディストーション・ベースとドラムのフロア・タムとの掛け合いで。 - Water/I Love To Say Da Da
のちに「Cool, Cool Water」の中間部に流用された、ちょっと不気味な「Water」の部分にも、なんと歌詞とリード・メロディが乗ってましたよ。ぐっとくる仕上がりでしたよ。で、『Good Vibrations Box』収録の「I Love To Say Da Da」へ。これはコーラスが“ワワホワ…”とか言ってる部分にもちゃんとリード・メロディが乗っていて。これが『Smiley Smile』の「Little Pad」あたりを彷彿させるハワイ調の佳曲。"Down in Blue Hawaii..."みたいな歌詞が印象的だった。ジェフリーがここでもウクレレでいい味出してました。その後、短いオーケストラ・パートを挟んで…。 - Prayer (Reprise)
『Good Vibrations Box』収録の『SMiLE』ヴァージョンで言うと、0:10から0:19くらいまでのパート。 - Good Vibrations
荘厳なアカペラを受けて、"Ah..."と歌い出された瞬間、ちびりました。これは通常の「Good Vibrations」に、CD『Smiley Smile/Wild Honey』のボーナス・トラックとして入っていた「Good Vibrations (Early Take)」とかで聞かれる初期の歌詞を組み合わせたヴァージョン。途中の"Gotta keep those lovin' good vibrations a happenin' with her"パートに続けて、やはり『Smiley Smile/Wild Honey』のボーナス・トラック「Good Vibrations (Various Sessions)」などでおなじみの"hump-be-down, hump-be-down..."コーラスが登場したところが最大の聞かせどころかも。てことで、怒濤の『SMiLE』ライヴはここで幕。