
フューチャー・ソウル/テデスキ・トラックス・バンド
ありがたいことに、先月いっぱい拙著『幸せな結末 大滝詠一ができるまで』のプロモーションということであちこち忙しく動き回らせていただいて。そのぶん趣味のブログ更新はすっかりお休み状態だったけれど。
でも、そんな中、移動中とかにたくさんの新作アルバムを聞きまくっていて。それはそれで楽しかったわけですが。中でも3月下旬によく聞いていたのが本作。テデスキ・トラックス・バンドの『フューチャー・ソウル』だ。
全4枚で構成された前オリジナル・アルバム『アイ・アム・ザ・ムーン』の壮大なコンセプト・ワークから一転。今回は1枚のアルバムに収録された全11曲、半分が3分台、他の曲もすべて5分以内というコンパクトさだ。マイク・エリゾンドとデレク・トラックスの共同プロデュースの下、持ち前の長尺ジャム・バンド的な味を抑制しつつ、よりラジオ・フレンドリーな色合いを強めた1作という感じ。
おかげで、細切れな移動中のBGMとしても中途半端な気分にならず楽しめました。
すべてバンド・メンバーのオリジナル曲。お得意のデレイニー&ボニー〜J.J.ケイル的なスワンプものだけでなく、よりキャッチーなポップ・ロック系あり、メロウなサザン系ミディアムものあり、ソリッドなR&B系あり…。ストレートなシャッフル・ブルースみたいな曲もあるけれど、そういう曲でもブルース・ロックの“ロック”の割合のほうが強め、みたいな?
別にバンドの方向性を根本的に変えたというわけではないだろうけど。ライヴでの味はライヴで、スタジオ・アルバムではスタジオ・アルバムらしく、よりソングライター的な色合いを強めた感じの仕上がりだ。コーラス隊の要、マイク・マティソンが曲作り面でもいい味出してます。
デレクの超絶ギター・ソロを期待するムキにはちょっと物足りない1枚かも。ただ、そういうのはライヴでたっぷり…ってことか。もちろんそこはデレク。長尺ではないものの、けっしてスライドにばかりこだわることなく、実に的確に構成された集中力満点のソロをどの曲でも聞かせてくれます。
ライヴ・ヴァージョン2曲を追加したデラックス・エディションもあり。

