Disc Review

Café Bleu (Special Edition) / The Style Council (Universal)

カフェ・ブリュ(スペシャル・エディション)/ザ・スタイル・カウンシル

フィジカルの発売が5月に延びてしまったみたいで。いきなりがっかりですが。

デジタル版だけは当初の予定通り、1月30日に配信されました。といってもフィジカル版として予告されていたCD6枚組ではなく、4枚組のボリュームに縮小されて。もともとデジタルはその仕様だったのかな…?

スタイル・カウンシルの『カフェ・ブリュ(スペシャル・エディション)』。当初の予定では、1983年のミニ・アルバム『イントロデューシング・ザ・スタイル・カウンシル』を下敷きにアルバム未収録シングルや別ヴァージョンなどを盛り込んだCD1、1984年の初フル・アルバム『カフェ・ブリュ』の最新リマスター版がCD2、関連シングルやB面、既発のリミックス、デモなどを収めたCD3、未発表のアウトテイクや別ヴァージョン、デモなどのCD4、初期のライヴやBBCセッションを収めたCD5と6という形で1月30日に出るはずだったものの。

CD5と6がない形で配信が実現。何か問題がありましたかね。いちおうオフィシャルでは“海外盤に問題があることが判明し、全世界のユーザーが完璧な商品を手にすることができるよう修正するために発売延期となりました”と説明されてはいるけれど。

ジャムを解散したポール・ウェラーがミック・タルボットとタッグを組み、キャッチーなホーン隊やオルガンのフレーズを伴ったシングル「スピーク・ライク・ア・チャイルド」でスタイル・カウンシルとして再デビューを飾った1983年、まじ興奮したものだ。その後、まずミニ・アルバム『イントロデューシング…』が出て、翌年アタマにかけて「ソリッド・ボンド・イン・ユア・ハート」「マイ・エヴァー・チェンジング・ムーズ」などブルー・アイド・ソウル系のシングル攻勢が続いて。で、ようやく待望のファースト・フル・アルバムへ…。

あの時期の盛り上がりが忘れられないもんで、今回のCD1とか楽しい楽しい。ただ、今回のボックスの要はむしろ、ブッカー・Tやらアート・ブレイキーあたりの躍動にとどまらず、アントニオ・カルロス・ジョビンやらミシェル・ルグランやらエリック・サティやらにインスパイアされた洗練を自らの音楽性へと取り込みつつあったポール・ウェラーが示す新たな方向性と、まだまだジャム時代のモッズ・ヒーローとしての彼への思いが捨てきれない当時の観客たちとのすれ違いみたいなものが緊張感たっぷりに渦巻くCD5と6のライヴ音源だったりもするわけで。

そういう意味では、やっぱり発売延期は残念。ハードカヴァー・ブックに掲載されるという英ブロードキャスター、ゲイリー・クロウリーによる新ライナーノーツも楽しみだったし…。

でも、もちろんポール・ウェラーが当時示したこの新たな方向性の的確さ、有効さ、素晴らしさというのは今では誰もが知っていて。トレイシー・ホーンやベン・ワットらネオアコ勢のゲスト参加もポイントだったし。こういう“反逆”の在り方もあるんだ…的な? そのあたりを再確認するためにも、とりあえず今配信されているディスク4枚分、54曲を聞きながら5月を待ちますかね。CD4に詰め込まれた未発表デモ群とか、トレイシー・ヤングとの共作曲のスタカン・ヴァージョンとか、むちゃくちゃ興味深いです。

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