
スプリングスティーンズ・カントリー/ヴァリアス・アーティスツ
今朝は、6月アタマくらいに手に入れていたのだけれどずっと紹介しそびれていた盤を。
2022年に出た『レディーズ・シング・ザ・ボス』に続く英ACEレコードのブルース・スプリングスティーン企画盤。『レディーズ…』は文字通り女性アーティストたちによるスプリングスティーン・カヴァー集だったけれど、今回は『スプリングスティーンズ・カントリー』ってことで。これまた文字通り、カントリー音楽視点からのスプリングスティーン・カヴァー集だ。
ボスのルーツ・ミュージック探索への熱意とか、ストーリーテラーとしての力量とか、そうしたものの背後には間違いなくカントリーへの眼差しが横たわっているわけで。そういう個性を再確認するには絶好のコレクションかも。
ジョニー・キャッシュの「ジョニー99」、トラヴィス・トリットの「タファー・ザン・ザ・レスト」、マヴェリックスの「オール・ザット・ヘヴン・ウィル・アロウ」、エミルー・ハリスの「ザ・プライス・ユー・ペイ」、スティーヴ・アールの「ステイト・トルーパー」といった大物たちの歌声から、レラ・リンの「ファイア」、ウィスキー・トリート・ロードショーの「ザ・ライジング」といった、まだあんまり知られていないかもしれないアメリカーナ系の歌声、さらにはソロモン・バークの「エイント・ガット・ユー」のようなカントリー・ソウル系まで、いろいろな角度からのセレクション。
選曲的にも、たとえばソニー・バージェスの「タイガー・ローズ」とか、ニッティ・グリッティ・ダート・バンドの「フロム・スモール・シングズ(ビッグ・シングズ・ワン・デイ・カム)」とか、ニール・コティの「サッド・アイズ」とか、未発表曲系のカヴァーも選ばれていたりして。さすがはACE。今回も『レディーズ・シングス…』に引き続きイギリスのDJ/プレゼンター、ショーン・ローリーが編纂しているみたい。
『ネブラスカ』と『トンネル・オヴ・ラヴ』の収録曲からそれぞれ4曲ずつ選ばれていて。『ボーン・イン・ザ・USA』からの2曲ってのを超えている。ふと忘れられがちなこの2作の名盤の存在感が強いのがうれしい。あと、個人的には大好きな「ガールズ・イン・ゼア・サマー・クローズ」みたいな曲(ドク・ウォーカーがカヴァー)や「イフ・アイ・シュッド・フォール・ビハインド」(ポール・アンセルがカヴァー)あたりまで視野に入れられているのも盛り上がりました。
英ACEの常でストリーミングはなし。なので、曲目リストだけ転載しておきますね。
- Johnny 99 / Johnny Cash
- Tougher Than the Rest / Travis Tritt
- Atlantic City / John Anderson
- All That Heaven Will Allow / The Mavericks
- Sad Eyes / Neal Coty
- One Step Up / Kenny Chesney
- The Price You Pay / Emmylou Harris
- If I Should Fall Behind / Paul Ansell
- Fire / Lera Lynn
- Tiger Rose / Sonny Burgess
- Ain't Got You / Solomon Burke
- Stand on It / Mel McDaniel
- Reason to Believe / The Beat Farmers
- From Small Things (Big Things One Day Come) / The Nitty Gritty Dirt Band
- Darlington County / Jeff Stevens & The Bullets
- Girls in Their Summer Clothes / Doc Walker
- I'm on Fire / Town Mountain
- Racing in the Street / The Breakmen
- The Rising / The Whiskey Treaty Roadshow
- State Trooper (Live) / Steve Earle