
パフ・オヴ・スモーク/ザ・ウッド・ブラザーズ
メデスキ、マーティン&ウッドの一員でもあるベーシスト、クリス・ウッドがお兄さんのギタリスト、オリヴァー・ウッドと、マルチ楽器奏者のジャノ・リックスと組んだウッド・ブラザーズ。9作目、出ました。相変わらずフォーク、ブルース、ゴスペル、ロックをいい感じに交錯させつつ独自の深く、繊細で、でも同時に躍動的でもあるアコースティック・サウンドを聞かせてます。
曲によって軽いホーンとかストリングスとか、必要最低限のサポートを伴いつつも、ぐっとストイックにシンプルなアンサンブルで、しかしものすごくイマジネイティヴな音世界を構築する手腕に磨きがかかってきたような。3人のヴォーカルの絡みもいい。
“俺は最高ってわけじゃない/七番目の息子でもない/呪術師じゃない/選ばれし者でもない/泥水じゃない/間違いなく大物でもない/俺はただの目撃者だ…”と吐き捨てるオープニング・ナンバー「ウィットネス」からごきげん。
今のところ、なんだか歪んだワルツ「アバヴ・オール・アザーズ」と、ラストを飾るやはり切ないワルツの「ティル・ジ・エンド・フリー」あたりが個人的お気に入り曲かな。かつての、ちょっと皮肉で諧謔的な眼差しも戻ってきたみたいで。でも、最終的にはどこかポジティヴ。
やっぱり気になるバンドであり続けてくれているなぁ。うれしい。