グレイト・ソングライター・ファイル〜職業作曲家の黄金時代/萩原健太
ぼくが編集長を務めさせてもらっているオンライン音楽誌『エリス』で2014年からずーっと続けたてきた連載“ソングライター・ファイル”をまとめた書籍、『グレイト・ソングライター・ファイル〜職業作曲家の黄金時代』というのをリットー・ミュージックから出版させてもらいましたーっ。本日発売ですーっ。わーっ。ありがとうございますーっ。
内容はタイトルそのまんま。いろいろなシンガーに楽曲提供をする、職業作曲家たちについてあれこれ書いた本です。今、自作自演がごく当たり前になってしまったシーンにおいて、ともすれば忘れられがちになるプロのソングライターという存在について、お古いタイプのポップス・ファンとしてしぶとくこだわってみた一冊です。
詳細はリットー・ミュージックのWEBを参照してください。取り上げているソングライター陣は——
- ジェリー・リーバー&マイク・ストーラー
- シド・テッパー&ロイ・C・ベネット
- ドク・ポウマス&モート・シューマン
- キャロル・キング&ジェリー・ゴフィン
- バリー・マン&シンシア・ワイル
- ニール・セダカ
- エリー・グリニッチ&ジェフ・バリー
- バート・バカラック&ハル・デヴィッド
- バート・バーンズ
- ジミー・ウェッブ
- ローラ・ニーロ
- ポール・ウィリアムス
- リチャード・カーペンター
- ベニー・アンダーソン
- デズモンド・チャイルド
- 村井邦彦
- 筒美京平
という面々。『エリス』の連載では他にもブライアン・ウィルソンとか、ハリー・ニルソンとか、ボブ・ディランとか、ポール・サイモンとか、シンガー・ソングライター系の人たちもいろいろ取り上げてはいるのですが、今回はこういうラインアップに絞りました。ご興味あったら、ぜひお手にとっていただければ、と。
とはいえ、まあ、本ですから。文字ばっかり。音は聞くことができないわけですが。せっかくなので本ブログでも、この本で取り上げたソングライターたちの作品を一組ずつプレイリストにして掲載していこうかなと思い立って。作ってみました。ぼくの好きな曲だけ、12曲ずつ…って感じですが。読書のおともにしていただければ。
まず初回の今日は、第1章で取り上げたジェリー・リーバー&マイク・ストーラーの作品集。この人たちも長い期間にわたって膨大なヒット曲を生み出してきたソングライター/プロデューサー・チームなので、とても12曲ぽっちじゃ全体像をとらえきることはできませんが。とりあえずのとっかかりとしてお楽しみください。
今回、オリジナル・ヴァージョンだけでなく、ウィルバート・ハリソンとかモンキーズとかマリア・マルダーとか、一部カヴァー・ヴァージョンも選曲していて。リーバー&ストーラー作品には他にもエルヴィス・プレスリーの「ハウンド・ドッグ」とか、ビートルズの「カンサス・シティ」とか、サーチャーズの「恋の特効薬(Love Potion No. 9)」とか、ドナルド・フェイゲンの「ルビー・ベイビー」とか、マイケル・マクドナルドの「アイ・キープ・フォゲッティン」とか、たくさんの興味深いカヴァーがあるので、それだけで12曲選ぼうかとも思ったんですが。それはまたの機会に。
以降のソングライターたちのプレイリストもちょこちょこ載せていきますので、お楽しみに。
※お恥ずかしいことに、出版後、いくつか不注意なミスに気づきました。読者ならびに関係者の皆さまにご迷惑をおかけいたしました。本当にすみません。訂正個所はリットー・ミュージックのWEBに掲載されています。そちらをご参照ください。電子版は修正される予定です。申し訳ありません。よろしくお願いします。
Great Songwriter Files: 01. Jerry Leiber & Mike Stoller
- Hound Dog / Big Mama Thornton (1953 US R&B #1)
- Ruby Baby / The Drifters (1956 US R&B #10)
- Young Blood / The Coasters (1957 US Pop #8, R&B #1)
- (You're So Square) Baby I Don't Care / Elvis Presley (1958 US R&B #14)
- Kansas City / Wilbert Harrison (1959 US Pop #1, R&B #1)
- Love Potion No. 9 / The Clovers (1959 US Pop #23, R&B #23)
- Saved / LaVerne Baker (1961 US Pop #37, R&B #17)
- I Keep Forgettin' / Chuck Jackson (1962 US Pop #55)
- D.W. Washburn / The Monkees (1968 US Pop #19)
- Is That All There Is? / Peggy Lee (1969 US Pop #11)
- I'm a Woman / Maria Muldaur (1974 US Pop #12)
- Pearl's a Singer / Elkie Brooks (1977 UK #8)