アナザー・ナイス・メス/カーティス・エラーズ・アメリカン・サーカス
米ミシガン州デトロイト出身。その後、ニューヨークを経て、2010年からはノース・カロライナ州ダーラムを拠点に活動する一癖あるシンガー・ソングライター、カーティス・エラー。新作、出ました。フル・アルバムとしてはもう8作目かな。
この人、ずっと米国の歴史というか、有名無名にかかわらず歴史上の事件や人物にスポットを当てた曲を歌い続けていて。大統領の暗殺事件とか、ハートフォード・サーカス火災のこととか、鳩レースのこととか、労働搾取問題とか、バスター・キートンのこととか、エルヴィス・プレスリーのこととか、ジャック・ルビーのこととか、アメリア・イアハートのこととか、リンカーンのこととか…。
それをエラー自身が奏でるバンジョーや、サックスやヴァイオリンなども含むバック・バンド、アメリカン・サーカスがバックアップ。思いきりレトロでオールド・タイミーな音作りで聞かせてくれているわけだけれど。
今回の新作でもその形は変わらず。伝説的ボクサーのソニー・リストン、オリジナル『キング・コング』の主演女優であるフェイ・レイ、長身の女サーカス芸人だったリリアン・ライツェル、ローレル&ハーディなどが曲ごとに登場する。さらに、学校での銃乱射事件の恐怖とか、ウィルス感染とか現代的な話題にも目を向けつつの全10曲。愛と喪失と贖罪を独自のやり方で歌い綴っていく。
キックスターターでクラウドファンディングしつつアルバム制作を続けて、それをバンドキャンプとかで売っているという、そんな形でしぶとく活動し続けるアーティストのひとり。がんばってほしいものです。てことで、フィジカルはバンドキャンプから。