Disc Review

TOY: Box / David Bowie (ISO/Parlophone)

トイ:ボックス/デヴィッド・ボウイ

今年もよろしくお願いします。

1月7日。明日で松が明けるというタイミングなので、この辺でブログ再開かなぁ…とぼんやり考えていたら、明日から三連休だそうで。今年も変わらず、“平日に毎日更新”というルールを基本にブログを書いていこうと思っていたけれど。このままだと1月11日に再開みたいな。けっこう長い正月休みになっちゃいそうなので、いったん今日、2022年初のブログ更新をしておいて、で、また3日間休んじゃおうかな、と。そんな感じで今、つらつら書いてます。

この1月21日には東京・渋谷のLOFT9で、久々にお客さんを入れてCRTを開催予定。詳細はいつものように本ブログのCRTインフォメーション欄に掲載しておきますが。話題沸騰の朝ドラ『カムカムエヴリバディ』の音楽を担当しているフラッシュ金子をゲストに迎えて、『カムカム…』で重要な役割を果たしているジャズをテーマに据えたトーク&レコード・コンサート・イベントをお届けします。チケットは明日、1月8日からイープラスで発売になります。そちらもひとつ、よろしくお願いします。

と、新春早々の業務連絡を終えたところで、今年初のピックアップ・アルバム。まだ去年出た盤で紹介しそびれているものも多いので、そのあたりも取り上げたいところですが。一発目くらいはやはりちゃんと2022年に出たものがいいかなと思って。今日、1月7日に海外でリリースされたデヴィッド・ボウイの『トイ:ボックス』、いっときます。

去年というか、半月ほど前にCD11枚組ボックス『ブリリアント・アドヴェンチャー(1992〜2001)』を取り上げた際にもお伝えした通り、そこに含まれてついに初オフィシャル・リリースされた伝説の未発表アルバム、その単体での発売だ。ボックスのほうには当然、アルバム本体、全12曲が収められて出たのだけれど、こちらはなんと3枚組、全38曲のデラックス・エディション仕様。

11枚組に続いて、さらなる3枚組か。たたみかけてくるなぁ。うれしいような、いいかげんにしてもらいたいような…(笑)。

2000年のグラストンベリーでの凱旋公演後、当時のツアー・バンドのメンバーでもあったマーク・プラティとの共同プロデュースでレコーディングされていた1枚で。プラティのほか、アール・スリック、ゲイル・アン・ドーシー、マイク・ガーソン、スターリング・キャンベルらツアー・バンドの面々とともにスタジオ入り。ほぼ一発録りに近い、あえて古き良きレコーディング・スタイルの下、ボウイが活動初期、1964年から1971年までに発表したシングル曲の再演ヴァージョンと新曲3曲を録音。2001年3月にサプライズ・リリースする予定で作業が進んでいた。

けど、予算の問題などもあり、レコード会社が計画中断を発表。そのレコーディング・セッションはそのまま新作『ヒーザン』のセッションへとなだれ込み、『トイ』のほうは結局お蔵入りしたまま、幻の1枚となってしまっていた。

まあ、一部の音は『ヒーザン』本体やボーナス・トラック、あるいはシングルB面曲などとして世に出たので、なんとなく雰囲気はわかっていた。オリジナル発売予定だった2001年から10年を経た2011年、ネットでリークされたこともあった。今にして思うと曲順も収録曲自体もミックスも違ってはいたけれど、あのとき聞いて盛り上がった方も多いとは思う。ぼくもそうだった。

で、さらに去年、本来ならでる予定だったときから20年後、ようやく11枚組ボックスの目玉音源としてオフィシャル・リリースされて。そこで温まったムードをそのまま引き継いで今年、ついに単独で、しかも3枚組デラックス・エディションとして世に出た、と。そういう流れだ。

今回の3枚組、まずCD1が『トイ』本体。「アイ・ディグ・エヴリシング」(1966年のシングル)、「ユーヴ・ガット・ア・ハビット・オブ・リーヴィング」(1965年のシングル)、「ロンドン・ボーイ」(1966年のシングルB面)、「カンヴァセーション・ピース」(1970年のシングルB面)、「ベイビー・ラヴズ・ザット・ウェイ」(1965年のシングルB面)、「キャント・ヘルプ・シンキング・アバウト・ミー」(1966年のシングル)といった初期シングル曲や、1967年のファースト・アルバムの収録曲「愚かな少年」、1970年にコンピ『ワールド・オヴ・デヴィッド・ボウイ』で初めて世に出たお蔵入り曲「カーマ・マン」、ジギー・スターダスト・セッションからのアウトテイク「シャドウ・マン」などが再演されている。

CD2がオルタナティヴ・ミックスや別ヴァージョン集。1964年にデイヴィー・ジョーンズ名義で出たデビュー曲「リザ・ジェーン」や、前出「カーマ・マン」同様『ワールド・オヴ・デヴィッド・ボウイ』で初お目見えした「イン・ザ・ヒート・オヴ・ザ・モーニング」などの再演はこちらに収められている。

CD3がスリックとプラティによるアコースティック・ギターを強調する形で『トイ』の収録曲と「イン・ザ・ヒート…」を再構築したアンプラグド・ミックス。個人的には案外、このアンプラグドものがぐっと来た。大人のボウイの顔をした赤ん坊を描いたジャケットがなんとも不気味っちゃ不気味なのだけれど、これ、ボウイ自身がデザインしたアートワークなのだとか。じゃ、仕方ないか。

まだ後につながる確固たる個性を確立しきれていないようにも思える超初期から、しかしボウイはもう存分にボウイだったのかも。そんな事実を改めて思い知らせてくれる充実したボックスセットではあります。

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