レイヴ・オン・バディ・ホリー/ポール・マッカートニー、ニック・ロウ、ルー・リード、パティ・スミス、グレアム・ナッシュ他
バディ・ホリー関連のリリースがあるとついつい取り上げたくなるというか。たとえば、こことか、大昔のこことか。なので、やっぱり今回も取り上げます。生誕75周年記念、多彩かつ興味深い新旧アーティストが参加したバディ・ホリー作品のカヴァー集です。
シー&ヒムのシンプルかつキュートなアプローチも、まあ、想定の範囲内とはいえ、やっぱりいいすね。フィオナ・アップルとジョン・ブライオンのデュエットも同様の感触。マイ・モーニング・ジャケットの無垢な手触りも見事。モデスト・マウスの眠たそうな音像も悪くない。パティ・スミスの静逸な表現も、ルー・リードのドスの効いた表現もさすが。ホーン・セクションを従えてバディ・ホリーの黒っぽい持ち味にフォーカスしてみせるキッド・ロックもごきげんだ。
でも、おっさんリスナーなもんで。個人的にはバディ・ホリーのテキサス・ロックンローラーとしてのトワンギー風味をまっすぐ受け継いだニック・ロウやジャスティン・タウンズ・アールのアプローチに心が落ち着きます。
もちろん楽曲の権利を保有しているポール・マッカートニーもいろんな意味で熱演。締めは元ホリーズのグレアム・ナッシュのしっとりした歌声で。バラエティ豊かに、様々な切り口からバディ・ホリー作品の魅力を味わい直せる1枚です。