Disc Review

Revolutions In Sound: Warner Bros. Records, The First 50 Years / Various Artists (Warner Bros.)

レヴォリューションズ・イン・サウンド〜ワーナー・ブラザーズ・レコーズ、ザ・ファースト50イヤーズ

年を越してから、ようやく初の更新です。

休み中はそこそこ時間がとれたので、たまっていたボックス・セット群をあれこれ聞いて過ごしてましたが。今回、いちばん楽しく聞いたのが、これ。1958年に設立されたワーナー・ブラザーズ・レコードの50年の歴史を総括した箱。CD版は10枚組。LPサイズの豪華ブックレット付きで、全199曲入り。エクスパンデッド版というのも出ていて。こちらは単独でも売られているウォーレン・ゼインズ著の分厚い同名書籍に、全320曲の圧縮音源ファイル入りのUSBメモリが付属したもの。写真はそのエクスパンデッド版のほうだ。

USBメモリがワーナー・ブラザーズのロゴ型で、かわいい。圧縮フォーマットは320kb/s、ステレオ形式のmp3。とりあえずmp3の最高音質でエンコードされている。一部、タグに不備があるけれど、まあ、その辺は目をつぶりましょう。独自のジュークボックス・ソフトや、クレジットを記したpdfファイルも付属している。余裕があれば選曲的にも断然エクスパンデッド版のほうがいいような気がするけれど。データが消失しちゃう危険性もあるので。心配性の方は、曲数は少ないけどCD版のほうがよろしいか、と。ぼくは両方買っちゃいました。またやっちゃいました(笑)。

傘下レーベルの音源も含め、タブ・ハンター、エヴァリー、コニー・スティーヴンス、アラン・シャーマンといったレーベル初期のものから、アソシエーション、ボー・ブラメルズ、ビーチ・ボーイズ、ヴァン・ダイク・パークス、ランディ・ニューマン、ジェームス・テイラー、ニール・ヤング、リトル・フィートらバーバンク・サウンド期のアーティスト群を経て、マドンナ、ジョージ・ハリスン、ロジャー、デジタル・アンダーグラウンド、R.E.M.、アラニス・モリセット、フレイミング・リップス、ホワイト・ストライプスまで。これは楽しい。

アメリカのポップ音楽シーンは、大ざっぱに言うと1975年あたりを境に変質してしまっていて。それまではかなり趣味性の高い、マニアックな音楽もリリースしながら、ある種文化事業的な役割も果たしていたレコード会社が、ロックのビッグ・ビジネス化にともなって売り上げ優先路線へとシフトチェンジ。売れそうにないミュージシャンはどんどんクビになっていった。そんな中、ワーナーはモー・オースティンとかレニー・ワロンカーとかテッド・テンプルマンとか、気概のある経営者/スタッフがふんばったので、まあ、70年代いっぱいくらいまで良質なレーベル・カラーを維持していた。今回のボックス・セットを聞くと、その辺のふんばり具合がよくわかって。面白い。

映像系の老舗企業が始めたレーベルだけに、発足当初は映画/テレビ界のスターに歌わせたり、他レーベルですでにスターダムをつかんでいたアーティストを移籍させたり、そんな感じでがんばって、やがて60年代半ばからは有能なスタッフのがんばりで独自のバーバンク・サウンドを確立して、やがて80年代以降は多くのレーベルを統合しながら鉄壁の総合レーベルとして君臨して…。そんなワーナーの歩みを一気に振り返ることができる。

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