シュガー・マウンテン〜ライヴ・アット・カンタベリー・ハウス1968/ニール・ヤング
『ライヴ・アット・ザ・フィルモア・イースト』『ライヴ・アット・マッセイ・ホール 1971』に続く、ニール・ヤングの“アーカイヴズ・パフォーマンス・シリーズ”第3弾。またまた時代をさかのぼって、バッファロー・スプリングフィールド脱退半年後の1968年、23歳になる直前のニール・ヤングのみずみずしい歌声が堪能できる発掘お宝ライヴ音源の登場だ。
初期シングルのB面に収められて世に出たアルバム未収録曲「シュガー・マウンテン」が収録されたことでおなじみ、ミシガン州アン・アーバーのカンタベリー・ハウスで行われた伝説のアコギ弾き語りコンサート。まだソロ楽曲が少ない段階ってことで、「オン・ザ・ウェイ・ホーム」「ミスター・ソウル」「エクスペクティング・トゥ・フライ」「アウト・オヴ・マイ・マインド」「ナウアデイズ・クレンシー・キャント・イーヴン・シング」「ブロークン・アロウ」などバッファロー・スプリングフィールド時代のレパートリーのほうがファースト・ソロ・アルバムからの曲よりも多いセットリストになっているのだけれど、これがいい。バッファロー時代の楽曲をシンガー・ソングライターとして改めて表現し直しているような感じで。新鮮です。
かと思えば、2年後に出ることになる『アフター・ザ・ゴールド・ラッシュ』収録の「バーズ」を早くも歌っていたり。「ウィンターロング」もちらっとやってたり。「クラシカル・ガス」を軽く弾いてみせたり。興味深い選曲です。今からは想像もできないほどフレンドリーなMCもたっぷり入っていて、あれこれ面白いエピソードが聞けるのもうれしい。けっこう笑いとってます。
アコギ弾き語りライヴってことでは『…マッセイ・ホール1971』と同趣向ではあるのだけれど。『アフター・ザ・ゴールド・ラッシュ』と『ハーヴェスト』という2枚の大傑作アルバムに挟まれた時期に録音されたマッセイ・ホールでの自信に満ちたパフォーマンスとはまるで違う、青く繊細なニール・ヤングが楽しめる。いつものようにCDは高音質音源を収めたDVD付きの仕様。iTunes版は音のみだけど、「アイ・アム・ア・チャイルド」がボーナスで入ってます。
来年早々リリースされるという初期音源によるブルーレイ・ボックス・セットはどんなことになるんだろう…。