Disc Review

The Cole Porter Mix / Patricia Barber (Blue Note)

ザ・コール・ポーター・ミックス/パトリシア・バーバー

9月ごろに出た女性ジャズ・シンガー/ソングライター/ピアニスト、パトリシア・バーバーの新作。ようやく最近買いました。ブルーノートに移籍してから何枚目かな。ぼくが持っている盤で全部だとすれば7作目。通算ではたぶん11作目か。タイトルからもわかる通り、コール・ポーターの作品集だ。このところ曲によっては少しアヴァンギャルドというか、エキセントリックな表現を聞かせることもあったパトリシアさんだが、今回は基本的にはストレート・アヘッドなジャズ・アプローチのもと、お得意のユニークな個性を発揮している感じ。相変わらずいい声、いいピアノ。ダークでクールなトーンがたまりません。

“ミックス”って言葉がアルバム・タイトルについているのは、きっと、歌詞の語数や韻までコール・ポーターの流儀にのっとって自作したというオリジナル曲が3曲交ざっているからだろう。曲によってはコール・ポーターのオリジナルのほうにも歌詞が足されていたり…。でも、勇み足感とか、やりすぎ感とかはまるでなし。パトリシアさんはそうとうコール・ポーターが好きで、深く研究しているんだろうな。川内康範もこれなら叱らないかも(笑)。

曲ごとのアレンジも的確。レギュラー・メンバーのニール・アルジャーのギターが大活躍だ。クリス・ポッターも5曲でごきげんなサックスを聞かせている。

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