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Disc Review

How I Learned To Stop Worrying / The Beatifics (No Alternative/TRG)

ハウ・アイ・ラーンド・トゥ・ストップ・ウォリイング/ザ・ビーティフィクス

近ごろ珍しく正当に古きよきポップ感覚を全開にしたやつら。

手っ取り早く言うと、ビートルズとバーズ、かな。偉大な先達からの影響をうまい具合に今ふうポップ・サウンドに乗せて聞かせてくれる連中だ。ミネアポリス出身と聞いて、ちょっと意外だったんだけど。しばらく聞き進めるうちになんとなく納得。

要するに、これ、さっき出したビートルズとバーズの例で話をすすめればですね。60年代にビートルズを筆頭とするブリティッシュ・ビート・グループ勢がアメリカを席巻したとき、それに対するアメリカからの回答って形で出てきたバーズみたいな存在なわけだ。ちょっと例えが偉大すぎるけどさ。その90年代版というか。オアシスとかクーラ・シェイカーとか、あのテの今ふうブリティッシュ・ポップ勢に対するアメリカなりの影響され具合みたいなやつが明快に表われたバンドなんじゃないか、と。そんな耳で聞くと、ちょっと面白い。

曲もいい。『リボルバー』のころのジョージ・ハリソンみたいな味もある「Almost Something There」って曲でスタートして、タイトルも曲調も情けなさめのスライド・ギターもなにやらトッド・ラングレンを思わせる「Something/Anything」、“ウー・ラ・ラ・ラ……”なんてビートルズ・ファンを泣かせるコーラスが入る「This Year's Jessica」、メロトロンまで持ち出した「Without A Doubt」と「Last Thing On My Mind」、初期ビートルズの感じをパワー・ポップ的に展開した「Happy To Be Sad」、ポール・マッカートニーとジョン・レノンそれぞれのメロウな部分を合体させたみたいな「Read You Wrong」などなど、ぐっとくる曲ぞろい。古いっちゃ古いんだけど。でも、サウンドの手触りにはそこそこオルタナ以降の空気感もあるし。

曲を書いているのは、ギター&ヴォーカルのクリス・ドーンってやつ。他の3人のメンバー以外にもゲスト・ミュージシャンをいろいろ起用していて。たぶん、このクリス君のソロ・プロジェクト的なバンドなんだろうなと思う。たとえばドラムのプレイとか聞いていると、そんなに古めかしいことやってはいないし。その辺が逆に、ただのノスタルジア・バンドにしてない要因かもしれない。

ともあれ、そのクリス君のソングライティング・センスと、なんつーか、ジョージ・ハリソンとジョン・レノンとロジャー・マッギンを足したような歌声が魅力。今んところ大物感はないんだけど。なんだかやけに惹かれる一枚です。バッドフィンガーとか好きな人にもおすすめできそうだな、これは。

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