Disc Review

Hers / Matt Maltese (Tonight Matthew/The Orchard)

ハーズ/マット・マルティーズ

今週は〆切りとかラジオ収録とかCRTとか早稲田エクステンションセンターとか他のさまざまなこととか、いろいろめいっぱい渋滞状態なもんで。趣味のブログ更新(笑)は少し軽めにいきますね。

てことで本日ご紹介するのは、英国系カナダ人のシンガー・ソングライター、マット・マルティーズの新作。現在27歳みたいだけど、すでにこれが6作目のスタジオ・アルバムで。2019年のセカンド・アルバム『クリスタル』以来のセルフ・プロデュース作です。

アルバム・タイトルからもなんとなく伝わってくる通り、愛する人に捧げられた1枚っぽくて。真剣な、長期間の関係性がもたらす複雑な浮き沈みのこととか、大切な恋を失うこととか、心の痛みとか、そういうもろもろがストリングスや木管をともなったチェンバーっぽいアンサンブルの下でおセンチに、ロマンチックに描かれている。ジャジーなスロー・バラードに乗せて“MF(マザー*ァッカー)”とか歌っていたりして、驚くけど。同時にけっこう文学的だったり。音楽的には傾向がだいぶ違うけれど、マットさん、レナード・コーエンが大好きらしく、歌詞にはそうした影響もちらちら。過去作の中でいちばん充実した仕上がりかも。

まだまだちょっと拙い表現もなくはないものの、今後年齢を重ねる中、さらなる成熟と深みが加わってくるに違いなく。楽しみ。

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Tonight Matthew
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