NBPファイル vol.109:追悼 J.D.サウザー
なんか毎週、追悼プレイリストを選曲しているみたいになってしまって。淋しい限りですが。1970年代に若き日のぼくの心を震わせてくれたアーティストの訃報が、また。
J.D.サウザー。今さら説明するまでもない、イーグルスやリンダ・ロンシュタットなどに多くの名曲を提供したことでもおなじみ、米デトロイト生まれ/テキサス育ちのシンガー・ソングライター。17日、ニューメキシコ州の自宅で亡くなったそうです。享年78。
1970年代、活動の本拠をロサンゼルスに置いていたこととか、当時交流していた人脈とかからも、わりとカントリー・ロック的な脈絡で語られることが多い人ではあったけれど、この人の曲作りの背景にはカントリーやフォークだけでなく、ソウルやジャズ、さらにはグレイト・アメリカン・ソングブック的な音楽要素からの影響もきっちり横たわっていて。
ぼくにとっても、いちばん好きなアーティスト! というわけではなかったけれど、好きな音楽の周辺にいつもこの人がいて、じわじわ魅了してくれていた感じ。ノーマン・ペティの流れを汲む人…というのも興味深かった。
なので、まあ、みなさんそれぞれに彼の曲を聞きながら思い出に浸っていらっしゃることとは思いますが、ぼくも彼への感謝の気持ちをこめて好きな曲を選んでみました。リンダ・ロンシュタットとかイーグルスとかボニー・レイットとか、さらにはブライアン・ウィルソンとか、他アーティストに作家として関わった曲を集めようかなとも思ったのだけれど、やはりここは彼自身の歌声が聞ける作品集にしよう、と。そういう方向でざっくりセレクトしてみた12曲です。
全部のオリジナル・アルバムがストリーミングされているわけじゃないので、ちょっと物足りないセレクションになってしまったけれど、それでもぼくが好きなJDの表情がそこそこ味わえる12曲か、と。物足りないぶんはあさって、土曜日のCRT“AORナイト”で。
JD、たくさんの名曲をありがとう。どうぞ安らかに。
- You're Only Lonely / J.D. Souther (1979)
- Go Ahead and Rain / J.D. Souther (1984)
- Black Rose / J.D. Souther (1976)
- Mexico / The Souther-Hillman-Furay Band (1975)
- Run Like a Thief / J.D. Souther (1972)
- I'll Take Care of You / J.D. Souther (1984)
- Pretty Goodbyes / The Souther-Hillman-Furay Band (1974)
- White Rhythm and Blues / J.D. Souther (1979)
- Faithless Love / J.D. Souther (1976)
- Her Town Too / James Taylor & J.D. Souther (1981)
- Come What May / J.D. Souther (2015)
- Best of My Love / J.D. Souther (2011)