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RIP Makoto Ayukawa: Makoto Is My Love

追悼:鮎川誠

喪失感と寂しさと。こういうのにはけっして慣れることなどできないんだろうなぁ。悲しい報せが続いて、なんだか脱力するばかりだ。

鮎川誠さん。享年74。

鮎川さんと初めてお目にかかったのは1981年の夏。シーナ&ロケッツのアルバムでいうと『ピンアップ・ベイビー・ブルース』が出る直前だった。田町にあったアルファ・スタジオで。むちゃくちゃ暑い日だったけど、ホット・コーヒーをブラックで味わいながら、博多訛りでロックンロールを語る姿がストイックで、まじかっこよかった。

それ以来、何度もお仕事を一緒にさせていただいてきた。もちろん雑誌の取材とか、ぼくがDJを務めるラジオ番組にゲストとして来ていただくとか、そういう機会が多かったのだけれど。1990年代半ばのインターネット黎明期、まだ日本で個人ホームページなど思いきり少なかったころ、鮎川さんはいち早くシナロケのサイトを立ち上げられて。同じ時期にホームページをちまちま始めていたぼくにもちょくちょく連絡をくださって、あれこれ情報交換したりしたものだ。

ちょうどそのころだったか、たまたま『タモリ倶楽部』でご一緒したとき、二人でギター弾かせていただいたのも印象深い想い出。ベンチャーズの「パイプライン」を軽くお遊びで。ぼくがサイド・ギターとしてまず♪テケテケ…をぶちかましてから例の低音リフに突入して、そこへ鮎川さんがリード・ギターで加わる。もちろんあの黒のレスポール・カスタムで。

でも、いきなりぶっとんだ。音がでかくて。笑った。バラエティの音量じゃなかった。マーシャル、本気で鳴らしていたんじゃなかったかなぁ。鮎川さんのロックを間近で浴びた気がした。うれしかった。鮎川さんはきっともう忘れてるだろうなと思ったけど、後年、ラジオ番組にゲストで来てくださったとき雑談の中でその話を軽く持ち出したら“覚えとるよ。「パイプライン」やろ。楽しかったね”って笑ってくださったっけ。

そんなこと思い出しながら、鮎川さんのギターの音色をたくさん味わいたくなってプレイリスト作りました。いつものように12曲のリストなので、シナロケのスタジオ・アルバムに限って、1作から1曲ずつ順不同で選曲。超有名曲とかは入っていないけれど、どれも鮎川さんのごきげんなギターを楽しめる個人的愛聴曲ばかりです。よろしければご一緒に。鮎川さんならではのロックを浴びましょう。

鮎川さん、かっこいいロックを、キュートなポップスを、痛快なギター・リフを、スリリングなギター・ソロを、たくさんたくさんありがとうございました。天国でもみんながぶっとぶくらいのでっかい音量でギターぶちかましちゃってください。どうぞ安らかに。


RIP Makoto Ayukawa: Makoto Is My Love

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  1. あなたの匂い / シーナ&ロケッツ (1994年)
  2. ラフ・ネック・ブルース / シーナ&ロケッツ(1988年)
  3. デッド・ギター / シーナ&ロケッツ(1980年)
  4. 恋のスウィンドル / シーナ&ロケッツ(1985年)
  5. ゲームズ・フォー・ガールズ / シーナ&ロケッツ(1986年)
  6. おかえりベイビー / シーナ&ロケッツ(1992年)
  7. ミックス・ザット・マン / シーナ&ロケッツ(1981年)
  8. フリクション・ドライブ / シーナ&ロケッツ(1984年)
  9. オ・マ・エ・ガ・ホ・シ・イ / シーナ&ロケッツ(1979年)
  10. ビッグ・ビート / シーナ&ロケッツ(1987年)
  11. アイ・ガッタ・ムーヴ / シーナ&ロケッツ(1989年)
  12. マコト・イズ・マイ・ラヴ(トゥモロウ・ビーチ) / シーナ&ロケッツ(1997年)

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